白飛び黒つぶれの原因

カメラには一回の撮影で識別出来る明るさや暗さの範囲に限界があります。この明るさや暗さの限界を越えると白飛びや黒つぶれといった、明るさや暗さの階調がなくなる現象につながってしまいます。

画像に於いて、白飛びや黒つぶれは悪ではないですが階調が無いといった点では、表現する上で白飛びや黒つぶれは無い方がいいです。そして、白飛びや黒つぶれする原因の1つとしてダイナミックレンジが影響しているってご存知でしたか?

今日お送りする内容は、白飛びと黒つぶれの原因とダイナミックレンジの関係について をお送りしたいと思います!

▼ この記事で分かる事
  • ダイナミックレンジについて
  • 白飛びと黒つぶれの原因ついて

目次

ダイナミックレンジについて

ダイナミックレンジ

ダイナミックレンジって聞いたことありますか?聞いたことあるって人でもカメラ歴の浅い人達はもしかしたら、ダイナミックレンジがどのようなものか説明出来ない人も多いかもしれません。

冒頭でダイナミックレンジについて少し説明してしまいましたが、カメラには明るさや暗さを表す事が出来る輝度の範囲が決まっています。この輝度の範囲を ダイナミックレンジ と言います。

ダイナミックレンジは輝度範囲の事

ダイナミックレンジとは輝度範囲の事です。つまりダイナミックレンジが広いカメラは単純に明るい所や暗い所の表現力が優れていると言えるので明暗差に強いカメラと言えます。逆にダイナミックレンジが狭いカメラは明暗の差が激しいシーンでの撮影が苦手と言えます。

一般的にはフルサイズセンサーを搭載したカメラはダイナミックレンジが広いとされていて、センサーサイズが小さくなるにつれダイナミックレンジは狭くなる傾向にあるようです。

そして、最近のカメラは優れてきているとは言え、人間の眼のダイナミックレンジ(肉眼に対しては使わないと思いますが)より優れているカメラはこの世に存在しません。人の眼って非常に優秀なんです。分かりやすい例でいうと、星明かりなんかは肉眼では確認出来るけどカメラでは捉える事が出来ません。カメラで星明かりを確認するには長時間露光という、光を長く取り込む作業が必要になってきます。

言葉で言うとそんなに難しくないかもしれませんが、ダイナミックレンジっていうのは物体ではないので確認する事は難しいです。イメージセンサー(撮像素子)に関しては、ミラーレスカメラならレンズを外せば確認出来るし、一眼レフカメラならミラーアップ機能を使用すれば確認できます。ダイナミックレンジに関してはそういった類のものではないので「これ」って感じで言えないのがもどかしいです。

なので、皆さんに分かりやすくなるように手間暇掛けて図にしました。ぜひ見てください。そして褒めてください。

ダイナミックレンジ

上の図で言うと、人間の目は「−8〜0〜+8」までの明暗差を捉える事が出来ますが、ここで言うカメラの場合、「−6強〜0〜+6強」までの明暗差しか表現できないと言う事になります。

ダイナミックレンジに関しては皆さん少しは理解していただけたでしょうか?では次に、白飛び黒つぶれとダイナミックレンジの関係についてみていきましょう。この関係を理解する事で、白飛びと黒つぶれのメカニズムが分かると思います。

白飛びと黒つぶれの原因について

白飛び・黒つぶれ

白飛びや黒つぶれは、撮影したカメラの輝度範囲つまりダイナミックレンジを超えてしまった時に階調がなくなってしまうことを言います。白飛びや黒つぶれの何が厄介かって言うと、階調がほぼほぼ残っていないので写真編集の際に編集が効かないというデメリットがあります。

白飛びは明るさのダイナミックレンジを超えた状態で、黒つぶれは暗さのダイナミックレンジを超えた状態ですね。

  • 白飛び=明るさのダイナミックレンジを超えた状態
  • 黒つぶれ=暗さのダイナミックレンジを超えた状態
  • デメリット=階調がほぼないので写真編集が効かない

LightroomやPhotoshopなどのRAW現像ソフトなら白飛びや黒つぶれしている場所や範囲を一発で表示してくれる機能があるので写真編集の際に確認してみてくださいね。

[Lightroom]白飛び・黒潰れの確認方法について

白飛びした所は赤く表示され、黒つぶれした所は青く表示されています。

白飛び黒つぶれの原因を図解

ダイナミックレンジ

白飛び黒つぶれの原因は前項で説明しましたが、カメラ用語の難しい所は言葉じゃ伝わりにくいって事ですね。世の中には言葉にしないと伝わらない事もあるんですが、カメラ用語に関してはそうもいかないみたいです。

図で言う所の[−6〜0〜+6]までがこのカメラのダイナミックレンジ(輝度範囲)だとします。ですが、実際に撮影した景色の明るさがこのカメラの明るさを表せる限界値の+6を超えてしまった場合、この超えた部分に関しては白飛びとなります。

一方で黒つぶれはその逆になります。実際に撮影した景色の暗い部分が、このカメラの暗さを表せる限界値である−6を下回ってしまった場合は黒つぶれとなります。

ダイナミックレンジをフル活用するには?

ダイナミックレンジはカメラによって違いますが、どんなに高性能な機種であっても明暗差の再現性には限界があります。このダイナミックレンジの性能をフルに活かす撮影方法をすればカメラの性能を最大限に活かす事ができます。

高感度撮影時はダイナミックレンジが狭くなる

ダイナミックレンジはISO感度が基準設定の時に一番広くなります。ISO感度の基準設定はだいたいどの機種も100〜200と言われています。

この時に一番ダイナミックレンジは広く、ISO感度を上げれば上げるほどダイナミックレンジが狭くなって画質の低下につながります。なので理想は、基準設定値に近いISO感度での撮影が望ましいですね。

保存はJPEGではなくRAW保存

これに関しては、ダイナミックレンジがどうとかこうとかではなく撮影の際には必ずRAW保存した方がいいです。JPEGの場合、画像の色情報が少ない為、写真編集の際に少ない情報の中で編集しなければなりません。ですが、RAWファイルはJPEGファイルに比べ多くの情報を記録しているので多少の白飛びや黒つぶれなら復元出来るかもしれないという可能性があります。

物理的に領域を縮小or拡大する方法

勘違いしてほしくないのがカメラ自体のダイナミックレンジの領域は変更する事が出来ません。では「物理的には」とはどのような事をいうのかというと、色々な機材を使用する事で撮影する物の明暗差をなくす事をいいます。

この方法に関しては過去に記事にしたことがあるので参考にしてみてください。

写真撮影時のお悩み解決!明暗差に有効な解決策はこれ!

白飛び黒つぶれの原因とダイナミックレンジについてまとめ

写真撮影に於いて必ずつきまとう明暗差問題。この明暗差を攻略する事で写真は上達します。ですが、攻略する前にまずはなぜ白飛びや黒つぶれするのかをしっかりと理解する事でよりカメラに対しての知識も付くのでぜひダイナミックレンジと白飛びや黒つぶれの関係性を理解して撮影に活かしてくださいね!