夜景撮影
登場人物A

一眼カメラの特性としてスマホなどに比べて、夜間時の撮影に強い事が上げられるよね。一眼カメラを購入したらぜひ夜間撮影、特に夜景などの撮影に挑戦してほしいって思います。

登場人物B

でも、昼間の撮影と違って夜間時の撮影って凄く難しい印象なんだけど。

登場人物A

もちろん、一夕一朝では上手くいかないかもしれないけど夜景を綺麗に撮影する為の方法を今回は紹介するから実践してみてね!

一眼レフカメラやミラーレスカメラを購入して撮影したいロケーションの一つに「夜景」があるかと思います。

僕もカメラを始めた頃は綺麗な夜景の撮影がしたくて、夜な夜な地元の夜景が見渡せる展望台や、見晴らしのいい高台に登っては夜景撮影にチャレンジしていました。

ですが、夜景撮影って結構難しくないですか?カメラ歴の浅い方達は多くの人が撮影した写真を見て「あれ?なんか違う」って思ったりしたのではないでしょうか?僕もその一人なんですけどね。

そこで今日は、カメラ初心者でも簡単に綺麗に夜景を撮影する方法と設定! と題してお送りしたいと思います。

この記事を読んで夜景の撮影に活かしてみてくださいね。

▼ この記事で分かる事
  • 夜景撮影が難しい理由と問題点
  • 夜景撮影に必須な道具
  • 夜景撮影時の設定とは?
  • 夜景が綺麗に見える条件とは?

目次

夜景撮影が難しい理由

残念がる少年

夜景撮影が昼間の時間帯に比べて難しい理由は、ズバリ光量が少ないから。つまり 暗い からです。

写真を撮影する為に必要な条件として光があげられます。写真は光の記録なので、カメラはそのシーンで光量が十分に得られるようにシャッター速度を調整します。

夜間撮影時は光の量が少ない為、シャッター幕を長い時間開いて光を多く取り込む必要があるので、手持ち撮影だと手ブレを起こしてしまう可能性があります。

光とシャッター速度の関係

このように暗いってだけで撮影難易度が上がってしまうのが、一眼カメラの撮影になります。

登場人物B

一眼カメラはスマホと違って、光にシビアなのね。

登場人物A

そうなんだよ。屋外と屋内って違いだけでも撮影に影響が出るから注意が必要だよ。夜景撮影は光量が少ないから日中と違って考えて設定をする必要があるんだ。

では、そんな夜間時でも綺麗に撮影する方法を考えていきましょう。

夜間撮影の問題点

まず、夜間時の撮影で問題となる点を考えてみます。

代表的なのが手ブレですね。先程もお伝えしたとおり、シャッター幕が開いている時間が長いと言うことは、手ブレする可能性が大きくなります。

カメラはシャッター幕が開いている間に、光の情報を記録するのでその間にカメラが動くとブレてしまいます。これは一眼レフもミラーレスカメラも仕組みは違えど同じ事が言えます。

シャッター速度問題

「シャッター速度が遅いならシャッター速度稼げばいいじゃん。ISO感度を上げまくれば問題解決でしょ」って思う方もいるかもしれませんが、その方法だとノイズが酷い写真を大量生産してしまいます。

ノイジーな写真ってやつですね。ノイズが写真に入ってしまうのは仕方ないんですが、問題はそれが夜景写真である事です。

夜景って事は写真内の光量が少ない部分って暗く(黒く)表現されるわけで、ノイズは色のある部分や明るい部分よりも暗い(黒い)部分の方が目立ってしまうのです。

なので、シャッター速度が遅いからと言ってISO感度増々の撮影は、綺麗な夜景を撮影すると言った観点からだとNGになります。

登場人物A

「夜景=綺麗」って一般的な感覚があるから夜景写真は綺麗に撮影したいよね。だから、ノイズが沢山はいっているような写真だと見る人が「綺麗」だと思えない写真になってしまうんだ。

登場人物B

撮るだけならいいかもしれないけど作品として考えるなら、ノイジーな写真はだめね。

ついでにもう一つ言うと、少しでもシャッター速度を稼ぎたいからと言って絞り(F値)を開放にして撮影するのはもってのほかです。

絞りを開放にすると被写界深度が浅くなり、ピントの合っている部分はいいけどピントがズレていくにつれて光源が玉ボケしたりします。個人的には夜景などはシャープ感ある写真の方がカッコいいと思っているのでこの設定もNGですね。

このように夜景撮影では何かすれば何か問題が出てくる・・・みたいに一筋縄ではいかない撮影です。

そこでどうするか?そんな、シャッター速度問題を一発で解決してくれる神アイテムが 三脚 です。この辺は「もう分かっているよ」って感じですよね。

夜景撮影に必須な道具

撮影機材
登場人物A

夜景を綺麗に撮影する為には、カメラの他に三脚などの機材が必要なんだ。

登場人物B

三脚を使用すれば手ブレのリスクが減るもんね。

登場人物A

その通り^^三脚を使用する事によって低速のシャッター速度でも手ブレするリスクが無いため、光量の少ない場所で撮影をする時に凄く助かるんだ。

登場人物B

つまり、綺麗な夜景を撮影したければ三脚は必需品って事ね。

夜景のみならず写真撮影には必須となる 三脚 という神アイテム。

趣味で写真を行うなら必ず購入するべきアイテムですよね。まぁ、何も三脚じゃなくてもカメラを固定出来ればなんでも構いませんが三脚があると写真表現と言う点で便利なので必ず購入しておきましょう。

三脚を使用すると手ブレって概念がなくなる

夜景撮影に於いて難しいのがシャッター速度が遅くなる事だとお伝えしましたが、三脚を使用する事で手ブレの概念がなくなります。厳密に言うとなくなるわけではないですが、手持ち撮影じゃなくなるので手ブレはほぼしなくなります。(ただし強風なんかで三脚自体が影響を受ける場合は論外です)

って事はですよ?シャッター速度が遅くなっても大丈夫って事です。

となると、ISO感度を上げてシャッター速度を稼ぐ必要だってなくなりますよね。つまり低感度撮影によってノイズが少なく、手ブレのリスクのないクリアな写真撮影が可能になるって事になります。まさに神アイテム。

ただし勘違いしてほしくないのが、低感度撮影に於いてもノイズは多少なりとも入ってしまいます。機種によっては、ISO100で撮影しても多いと感じてしまうかもしれません。そんな時はスタック処理をしてノイズを少なく見せる事も可能です。

スタック処理に関しては別記事で解説したいと思います。

確実にブレを無くすならレリーズ必須

登場人物A

三脚の次に紹介したいのが、レリーズってアイテム。写真が上手な人ほど使用頻度が高いかもしれないね。

登場人物B

レリーズってなんか聞いた事あるような・・・

登場人物A

過去にも紹介した事があるからね。簡単に言うと、外付けのシャッターボタンだね。レリーズを使用する事によって、シャッターを押す時に直接カメラに触れなくていいから、カメラがブレるリスクが低くなるんだ。

三脚を使用すれば手ブレの概念はなくなりますが、まだリスクはあります。そのリスクが発生するのが、シャッターボタンを押す時です。結局、カメラに干渉すればブレのリスクは高まるわけですよ。

って事は、カメラに直接触れなければいいんです。単純明快ですね。

皆さんは、シャッターボタンを後付けできる事はご存知ですか?しっかり説明するとシャッターボタンと同様の機能を持つ機材があります。

それが、レリーズ って機材。このレリーズはカメラのレリーズ専用の外部端子に差し込んでカメラに干渉しないようにシャッターを押す事が出来る機材です。これによってカメラに干渉する事なく写真撮影が出来るので、ブレのリスクがなくなります。

ガラス越しに撮影するなら暗幕必須

何も夜景撮影って野外だけではないですよね。高層ビルの展望窓からでも夜景撮影は出来るし、旅先で予約したホテルの部屋からの景色が凄い良くて撮影する事だってあるでしょう。そんな時に困るのがガラスへの写り込みです。宿泊している部屋なら電気を消すのも手ですがこれだけでは不完全です。

登場人物B

この前旅先のホテルからの夜景が綺麗で部屋の中からガラス越しに撮影したんだけど部屋の景色が写り込んでしまって、結局諦めちゃったの。

登場人物A

あー。それは残念だったね。部屋の中からだと君の言う通り部屋の写り込みが邪魔になってしまうよね。そんな時はまずは部屋の電気を消す事。これでだめなら暗幕や着ている物でカメラを覆ってあげるといいよ!

まずは、電気を消すことが手っ取り早いですが、多くの人で賑わっている場所なんかでは電気すら消す事は不可能です。そこで便利なのが、暗幕ですね。暗幕と言えど、例えば着ているジャケットでも大丈夫です。(着ている素材によっては写り込んでしまいますが…)完全に写り込みを消したいのであれば、ラバーフード を使用するのがいいでしょう。

ラバーフードは、通常のレンズフードではなくゴム製のフードを取り付けて撮影時にガラスにくっつける事で光の侵入を防ぐと言うものです。これによって、ガラスへの写り込みはなくなるのでクリアな夜景を室内からでも撮影する事が可能になります。

▽夜景撮影時に必要な機材
  • 三脚・・・低速シャッターに対応する為
  • レリーズ・・・カメラに干渉しない為
  • ラバーフード・・・室内の写り込みを防止する為(代用可能)

夜景を綺麗に撮影する為の設定とは

夜景
登場人物A

夜景撮影時の問題点や夜景撮影時に必要な機材についてはわかったかな?

登場人物B

良く分かったわ。あとは、いざ撮影するって時の設定について知りたいわ。

登場人物A

そうだね。次は、撮影時の設定について解説するね^^

これまで、夜景撮影時の問題点や機材について説明してきました。もちろん手持ちでも撮影する事は可能ですが、正直満足するような写真を撮影する事は出来ないと思いますので最低でも三脚くらいは用意した方がいいです。

では、次に設定を考えていきましょう。

ISO感度

ISO感度は低ければ低いほどいいかと思われがちですが、決してそんな事もないです。

なぜか?確かに低ければノイズは少なくなりますが、カメラが適正露出を取ろうとしてシャッター速度が無駄に長くなってしまいます。シャッター速度が長くなればなるほどノイズは増えるので、あまりにもシャッター速度が長くなるようならISO感度は上げた方がいいです。

決まりはありませんが、個人的にはまずISO1000くらいで撮影しています。最近のカメラは高感度耐性が優れているのでISO1000くらいでも非常にクリアな撮影が可能です。(シャッター速度にもよりますが)

初心者の方は、ISO感度の設定は何も考えずにAUTOでもいいかもしれませんね。

F値(絞り)

絞りに関しては、F8〜F11ですね。この辺のF値はレンズの性能を一番引き出せると言われています。それに、被写界深度も浅過ぎず深過ぎずで一番扱いやすいのではないでしょうか。

露出補正

先程ISO感度の設定の時に、「AUTOでもいい」みたいな事を言いましたが実際にAUTOで撮影すると少し暗い感じに写ってしまう可能性があります。

暗いからと言ってISO感度を上げる必要もなければ、絞りを開放にする必要もないです。撮影した写真が少し暗いと感じたら 露出補正 を+側へ振ってみて下さい。これによって写真が明るくなります。

出来栄えはあくまで撮影者の好みになりますが、暗闇の中で夜景部分が浮き上がるかのようにしたい時は露出補正を有効に活用してみて下さいね。

それでは簡単にまとめます。

▽夜景撮影時の設定とは?
  • ISO感度はシャッター速度を見ながら調整(AUTOでもOK)。シャッター速度の目安は光量の環境にもよるが1秒〜4秒くらいを目安に。
  • 絞りはレンズの性能を引き出す為に、F8〜F11がおすすめ。
  • 撮影した写真が暗いと感じたら、露出補正を+側に振ってみる。

とまぁなんやかんや言ってますが、まずは撮影してみましょう!

夜景が綺麗に見える条件

夜景

次に、夜景が綺麗に見える条件を紹介したいと思います。

いつ見ても同じように見える夜景ですが、実は見る日や時間によってその表情は結構変わるものです。せっかく機材も用意して設定も分かったところで、夜景自体が綺麗じゃなかったらなんの意味もありませんからね。

登場人物A

夜景にも綺麗に見える時間や季節があるんだ。せっかく撮影するなら夜景が綺麗な時を狙って撮影しよう!

季節

夜景は季節を選ばずに撮影出来ますが、「綺麗な夜景」って事にフォーカスを当てるなら夜景撮影にベストな季節は になります。

冬は空気が澄んでいるので夏に比べると夜景や星が綺麗に見えます。冬は積極的に夜間の撮影をするべき季節なのです。

時刻

夜景撮影でおすすめしたい時間がマジックアワー時です。マジックアワーとは 日没後30分 くらいの事を言いますが、空にはうっすらと青や夕焼け色が残っていて地上にまでは空の色がギリギリ届かない感じは何とも言い難い表情を見せてくれます。

なのでこの時間帯は積極的にシャッターを切ってみたい時間帯になります。

また、それくらいの時間帯なら多くの人が活動しているので、車の光跡が写真に写ったりと偶然の産物にも期待出来ます。

天候

大気中には実に多くの埃や塵が含まれています。僕らが生活していて「なんか今日は景色が霞んでいるな」と感じる日もあるかと思います。

それは埃や塵が多いからです。なので埃や塵が少ない日に撮影した方が、夜景が綺麗に見えるのは言うまでもないですよね。

皆さん大気中の埃や塵が少ない時っていつだか分かりますか?

答えは「雨上がり」です。日中に降った雨が大気中の埃や塵を落としてくれるので、雨上がりは夜景撮影にベストのタイミングと言えます。

夜景が綺麗に見える条件

日中は雨が降って、午後から夕方にかけて晴れていく日はまさに最高の条件ですね。

初心者でも簡単に綺麗な夜景を撮影する方法まとめ

以上で初心者でも簡単に綺麗な夜景を撮影する方法を紹介しましたが、いかがだったでしょうか?

夏場はいいですが、撮影現場に着いてからあーでもないこーでもないってやっていると寒くて凍えてしまいます。なので最初から答えに近い設定を覚えておく事で時短にもなるし、歩留まりも向上します。

なにはともあれ、まずは機材を揃えるところからでしょうか。最悪、ラバーフードは洋服などで代用し、レリーズはセルフタイマーモードを使用すれば問題ありません。

ですが、三脚だけは購入した方がいいです。夜景だけでなく色々なシーンで活躍するのが三脚ですからね。砂金は室内でも気にせず使用できるミニ三脚も種類も増えてきたので、「室内で大型三脚使うのは気が引ける」って方はミニ三脚も視野に入れてみてはいかがでしょうか。

「夜景は難しいから」とか「良くわからないから」と言って諦めるのではなく、とりあえず撮影してみる精神が重要なのでチャレンジしてみましょう!