フレアとゴーストについて
登場人物A

フレアとゴーストって知っているかな?

登場人物B

聞いたことはあるけどそれが写真となんの関係があるの?

登場人物A

写真にもフレアとゴーストってものが存在して、そのフレアとゴーストいよっては写真の出来が左右されるんだ。

登場人物B

それならしっかり理解しておいた方がいいわね。

当ブログでは頻繁に写真撮影に重要なのは だとお伝えしてきました。それは自然光だろうがクリップオンストロボだろうが、その辺の自動販売機の光だろうが大きな一つのくくりとして と言うのは写真を撮影するには非常に重要な要素になります。

光 一つでその日の写真の出来高が決まると言っても過言ではないように思います。

では、光を意識した撮影に於いて注意する点は何か分かりますか?

白飛びや黒つぶれはもちろんの事ですが、白飛びや黒つぶれに関しては撮影方法を変える事によって防ぐ事が可能です。ましてや、RAW現像でなんとかなる事もありますから、今回の記事では大きな問題ではありません。

今回は写真撮影に於いて重要な光を意識する時に注意するべき フレアとゴースト について解説したいと思います!

▼ この記事で分かる事
  • フレアとゴーストについて
  • -フレアとゴーストの違い

  • フレアとゴーストを活かした作例
  • フレアやゴーストを防止する方法とは?
  • 写真撮影に於いての光の重要性(おさらい)

目次

フレアやゴーストについて

フレアとゴースト

では例に習って、まずはフレアとゴーストについて解説していきましょう。

フレアにもゴーストにも共通して言えるのが、逆光撮影で良く起こる現象です。

フレア

フレアは光がレンズやカメラの中で反射する事で発生します。特徴は写真全体が白っぽくなってコントラストが低下します。

コントラストが低下するので、写真は全体的にふわっと柔らかい印象の写真になります。作風によっては活かせるのではないでしょうか。

ゴースト

一方のゴーストも強い光がレンズの中で反射して、絞りの形や楕円などの形になって出てくる現象になります。

ゴーストに関しては、フレアのように写真全体がというよりは、しっかり形として写真に写り込み主張感があります。あまり大きなゴーストや、はっきりしたゴーストは作品としては扱いにくいです。

面白いのがフレアもゴーストもレンズによってその表情が変化します。レンズによっては非常にエモい写真が撮影出来るので色々と楽しんでみるのもいいかと思います。

特にオールドレンズなんかは、フレアやゴーストがいい感じに出るので作品でフレアやゴーストを活かしたいなら非常におすすめですね。

フレアとゴーストの違い

フレアとゴーストは、その発生条件や同一レンズで発生するので同じような意味で覚えがちですが、先程も言いましたが基本的にはゴーストは主張感があります。フレアに関しては、主張感はなく全体的にモヤッと白っぽくなる現象の事を言います。

フレアとゴースト

こんな感じですね。ちなみにフレア・ゴースト繋がりでハレーションって言葉がありますが、ハレーションはフィルムカメラ版のフレアみたいな感じです。

デジタルカメラを使用する方には縁が無いかもしれませんが覚えておいても損はないかと思います。

フレアやゴーストを活かした作例

登場人物A

フレアもゴーストも作品に活かす事もできるんだよ。それぞれを活かした作例を紹介します。

僕は基本的に風景写真の撮影を行っているので、わざとフレアやゴーストを作品の中に入れるなんて事はあまりしません。

もちろん意図的に行っているのもありますが、最近のレンズはレンズそのもののフレア耐性やゴースト耐性が単純に上がっているという理由もあります。

フレアに関しては、写真を柔らかく表現したい時に意識します。例えば、花の写真とか。

フレア

どうでしょう?写真全体が柔らかくなって花がより一層可愛らしくなったように思います。フレアの非常効果的な使い方と思います。

花とフレアは非常に相性がいいのでおすすめですね。ちなみにオールドレンズで撮影して、その後トリミングしています。

ゴーストに関しては、撮影後のゴーストの形や色味などで良し悪しを決めます。もちろん根本的な考え方としてはゴーストは無い方がいいです。ですが、仕方なくゴーストが入ってしまう場合もあるのでその時は作品をしっかりと選定しましょう。

ゴースト

フレアやゴーストを防止する方法

先程も言いましたが、僕の基本的な考え方としてはフレアもゴーストも無い方がいいと考えます。もちろん考え方は人それぞれだと思います。

作例のように花の写真にわざとフレアを入れる方もいますし、ゴーストを好んで狙う方もいます。

なので一概に「ダメ」とは言えませんが、フレアやゴーストを防止する方法を知っておけばその時に役立つので紹介したいと思います。

逆光を避ける

一番手っ取り早い方法がこれ。撮影したい作品が何も逆光じゃなくてもいいなら逆光は避けるべきです。と言うのも、フレアもゴーストも強い光がレンズやカメラ内に侵入する事で起こる現象だからです。

つまり、強い光をレンズやカメラ内に入れなければそれで済む話しなのです。

レンズフードを使用する

レンズフード

レンズフードって意外とその役割を知らない人が多いんですが、レンズフードの役割はレンズやカメラ内に強い光が侵入する事を防止してくれるアイテムです。つまり、フレアやゴーストを防止する為の道具なんです。

たまに見かけるのが、レンズフードを装着していない人。確かにレンズフードはかさ張るし、脱着がいちいち面倒ではありますが、写真の質を上げるなら必須です。

フィルターを外す

フィルター

皆さんほとんどの人がおそらくレンズフィルターを使用しているかと思います。レンズの前玉を守ってくれる便利なやつです。

ですが、このフィルターがある事でフレアやゴーストが発生する可能性があります。

と言うのも、物理上フィルターを装着すると言うことは、レンズを1枚足すって事になります。光が余計なレンズを通る分反射するリスクが増えます。

もし、レンズプロテクターのフィルターを使用するなら高透過率の高いレンズフィルターを使用すると少しはマシかもしれませんね。

ハレ切りをする

ハレ切り

「ハレ切り?なにそれ」って感じですよね。普通に生活していたらそんな言葉聞きませんもんね。

ハレ切りとは、レンズに侵入する太陽光を手などで遮る事を言います。レンズフード装着もこのハレ切りを目的としていますが、レンズフードだけでは防ぎきれない時に有効かと思います。僕なんかは望遠レンズ使用時は良く手で遮りますね。

ポイントはライブビュー撮影にしてモニターを見ながらゴーストが消える場所を探してみる事ですね。

ちなみに、広角レンズなどでハレ切りを行うとうっかり写真に写ってしまうので注意が必要です。

高価なレンズを使用する

皆さんカメラ機材って非常に高価ですよね。カメラボディで数十万円するのに、更にレンズだけでも十数万円しますからね。本当にお金の掛かる趣味です。

でも、やはりレンズが高価なのにはそれなりの理由があります。

その一つに、フレアやゴーストを抑える為のコーティングが施されているからです。高価なレンズほど画質にこだわった工夫がされていると言っても過言ではないです。

例えば、CanonのRFレンズの RF 15-35mm F2.8 L IS USM なんかはフレアやゴーストを低減するためのSWCやASCといった特殊なコーティングが施されています。

SWCはSubwavelength Structure Coatingの略で、ASCはAir Sphere Coatingの略です。横文字が苦手な僕には良くわかりません。

SWCは、屈折率が大きく異る境界面をなくす事で反射光の発生を大幅に抑制することができるみたいですね。フレアやゴーストが大きく発生する条件として、入射角が大きな光に対しても効果があるみたいです。

ASCは、レンズ表面の蒸着膜の上に二酸化ケイ素と空気を含んだ膜を形成する事で光の反射を抑制するコーティング技術らしいです。

詳しくは、Canon公式のRF 15-35mm F2.8 L IS USM のページをご覧ください。

RF 15-35mm F2.8L USM
商品ページはこちら

レンズの価格設定はやばいなと毎回思うのですが、このように撮影者の事を思って色々やってくれていると思うと仕方ないのかなとも思いますね。

写真撮影に於いての光の重要性

写真撮影に於いての光の重要性については過去にもお伝えしたと思います。

風景写真を撮る上で注意したい点(環境編)

 

なぜかって?今回のテーマであるフレアとゴーストは逆光下での撮影の際により発生しやすくなるのは先程お伝えした通りですが、だからと言って逆光を避けてばかりもいられないんです。

逆光は花の撮影やポートレート、風景写真に於いても非常にドラマチックな写真を撮影できるチャンスなので積極的に狙っていきたい光なんです。

上記リンク先にもあるように逆光はコントラストが下がるので被写体の印象を柔らかくしてくれます。それでいて、輪郭線ははっきりと写し出す光なのでドラマチックな撮影ができるんです。

フレアやゴーストは必要ないと思いますが、可能なら積極的に狙ってみましょう!

フレアやゴーストについてまとめ

フレアやゴーストの扱いは非常に難しいです。作風に合わない時もあれば、逆にフレアやゴーストがあった方が印象的で綺麗な作品になる事もあります。

なのでどっちがいいとか悪いとかってレベルの話しじゃないんですよね。

一つ言えるのが、作品の仕上がりのイメージをしっかりと持って撮影する事ですね。ここがブレると撮影後の選定時に迷ってしまいます。

フレアやゴーストが無い方がいいならしっかりと対策を練って撮影する必要がありますし、フレアやゴーストが必要ならオールドレンズでの撮影も面白いかもしれませんね。

いずれにせよ、フレアやゴーストの発生原因と対策はしっかりと覚えておきましょう!