先日書いた記事の中で被写界深度と言う言葉を使ったので、今日は被写界深度について記事を書いてみようかと思います。
と、その前に愚痴いいですか?
カメラ用語、写真用語って漢字多すぎません?今回の被写界深度もそうだし、最大撮影倍率とか撮像素子とか・・・
「んあっ!」ってなるのは僕だけでしょうか?
え?お前だけだよって?それは失礼しました。。。
では本題へ。
目次
被写界深度
今日もできるだけ簡単に書きたいと思います。
この被写界深度とは、写真の焦点(つまりピント)が合っているように見える被写体側の距離の範囲のことを被写界深度と言います。・・・はい、分かります。分かりますよ。難しいですよね。僕も書いてて思いました(笑)
写真って各設定で撮った時に厳密な意味でピントの合っている場所って平面上の一点しかないんです。 これは分かりますか?むしろ分かってくれないと困ります。では進みますね。
でも写真のピントの合っている部分って「この辺かな」みたいな感じじゃないですか?
それって言い換えると ピントが合っているように見える部分ってこの辺かな って言えると思うんです。
そのピントが合っているように見える範囲を被写界深度と言います。
この説明は分かりやすいんじゃないでしょうか? また被写界深度って単語を単体で使う事ってなかなかないですよね?多くの人が聞くのは、被写界深度が深いとか被写界深度が浅いとかだと思います。
この画像は以前に「パンフォーカス」のブログで掲載した画像です。薄く黄色くなっている部分がありますよね・これが被写界深度の変化の様子です。
風景写真撮影テクニック!パンフォーカスについて!
ここでは絞りなど関係なくピントの合わせる位置によって被写界深度が変化する事を表しています。このように結構シビアに変化するんです。
被写界深度が深いとか浅いとか
じゃあ、その被写界深度が深いとか浅いとかってなんなの?
って話になると思うんですが、そもそも被写界深度はピントが合って見える範囲って言いましたよね?
範囲って事は広かったり狭かったりするわけです。
で、被写界深度に関して言えば、ピントの合っている範囲が狭く見える事を被写界深度が浅い、逆にピントの合っている範囲が広く見える事を被写界深度が深いと表現するのです。
じゃあ、どうしたら狭くなったり深くなったりするの?って話ですよね?
被写界深度の変わる条件
被写界深度は色々な条件によってその範囲が広くなったり狭くなったりすんだ。ここでは、その色々な条件について解説するね!
- 絞り値(F値)
- レンズの焦点距離
- 被写体までの距離
- 被写体と背景の距離
この4つで被写界深度は決まります。
この中でも一番ピンとくるのが絞りじゃないでしょうか?
F値と呼ばれるあれです。F値を絞るとレンズ内の絞り羽根と呼ばれる物が狭くなり入光量が少なくなります。が、ピントは全体に合いますよね(正確には合っているように見える)。
これは被写界深度が深い状態です。言い換えるとボケ味が少ないシャープな写り。
では、F値を開放にするとどうでしょう?
ピントが合っているように見える部分って狭くなったように思いませんか?これは被写界深度が浅くなった状態です。これは先程とは逆で、絞りを開放にする事で入光量が多くなるからです。
ようはボケ味の多い状態です。このようにF値一つで被写界深度は変わってくるのです。
カメラって奥が深いですね。
被写界深度が浅い写真を撮るには
被写界深度が浅い写真、つまりボケの量が多い写真を撮影するにはどうすればいいか。それは下の条件を満たす事によって解決するよ。
被写界深度が浅い写真を撮るには、
- F値開放気味にする
- レンズの焦点距離を長くする(望遠)
- 被写体に寄る(近付く)
- ぼかしたい背景は被写体から遠くに置く
一般的にボケ量を多くしたいなら絞りを開放にすればいいと思われがちです。感覚的にはそれで間違っていませんが、理論上ではF値の設定に焦点距離であったり、被写体への距離なども大きく影響します。
背景をぼかしたいのに、被写体と背景の距離が近いといくら絞りを開放にしたところで背景のボケ量は少なくなってしまいます。
逆にF値がF11とかでも被写体と背景の距離があれば、余裕で背景がボケた写真を撮影する事が出来ます。
例えば上のチューリップの写真。この写真の絞りはいくつだと思いますか?この写真、実は絞りがF22なんです。この時点で「背景ぼかしたいなら絞りを開放にする」って概念は打ち崩されました。
ではなぜこんなに背景がボケたのでしょうか?そのポイントが被写体と背景の距離にあります。この写真の被写体は手前にあるピンク色のチューリップになります。ピントはこのピンク色のチューリップに合わせてあるので、近くにあるチューリップも若干ピントが合ったように見えます。特に右下のチューリップなんかは顕著に影響が出ていますね。
このように絞りの設定値も重要ですが、それ以上に被写体と背景の距離がボカす上では非常に重要になります。
これであなたもボケマスターです。
被写界深度が深い写真を撮るには
じゃあ、被写界深度が深い写真を撮影するにはどうしたらいいか分かるかな?答えは先程とは逆の事をしてみれがいいんだよ。
被写界深度が深い写真を撮影するには先程とは逆の事をします。逆の事とは・・・
- F値は絞る
- レンズの焦点距離を短く(広角)
- 被写体と距離を取る
- 被写体と背景との距離を短くする
被写界深度が浅い写真に関しては、絞りを絞っても被写体と背景の距離があれば背景はボケると言いましたが、被写界深度が深い写真に関しては絞りを絞る事が重要です。
被写体と背景の距離が近くても、絞りを開放気味で撮影してしまうとどうしてもピントの合っている場所以外はボケ感が生まれてしまいます。
この辺は感覚になりますが、非常に難しいですね。そして、望遠よりも広角レンズを使用する事が重要です。焦点距離は長くなればなるほどボケやすくなるので、望遠レンズで被写界深度の深い写真を撮影する時は被写体と背景の距離をしっかりと考えて撮影しましょう!
これであなたも被写界深度界のスターです。(←ん)
被写界深度まとめ
どうしたら被写界深度が浅くなるのか深くなるのかを理解すると写真の表現が広がりますので是非上記設定を試してみてください!
一緒に被写界深度マスターになりましょう!