皆さん、桜が一番美しいと感じるのはどんな時でしょうか?

例えば、桜は8分咲きくらいが控えめでちょうどいいと言う人もいます。いやいや、桜はやっぱ満開時が一番綺麗だよ!って人もいます。これは多くの人がそう思ってそうです。中にはコアな意見で、桜は雨で濡れた時が一番綺麗だと言う人も。人それぞれ色々な楽しみ方ができるのが、日本の心と言われる桜ではないでしょうか。

そんな桜の楽しみ方に「桜吹雪」がありますよね。

皆さんこんにちは。桜のように散る時でさえ儚く綺麗に散っていきたい僕です。

冒頭でも触れましたが、桜っていつ見ても綺麗じゃないですか?僕の住む長野県の桜前線もいよいよ北上してきて、残すは中信地区の葉桜と北信地区の桜ですね。北信地域にもたくさんの桜の名所があるのでまだまだ楽しめそうです・・・コロナさえなければ最高なんですけどね。

仕方ないので今年は自粛しますけど、コロナ終息したら撮影しまくりたいと思っています。

さて、今日は桜の楽しみ方の一つでもある 桜吹雪 の撮影方法について解説してみようと思います。

目次

桜吹雪の撮影はなぜ難しいのか

桜吹雪

「桜吹雪の撮影はなぜ難しいのか」そんな事を書きながらふと思いました。そして僕なりにその理由について考えてみました。

桜吹雪単体として考えるならば、動体撮影になる

桜吹雪を撮ろうとすると、それまで桜を撮影していた設定だと桜の花びらが散る様子は撮影できません。なぜなら、桜吹雪は常に動いているからです。桜の花びらは風がふくたびにヒラヒラと動いてしまうので、風景撮影をするような「ISO感度100・F8〜F14・SS(シャッター速度)1/25〜1/100」みたいな設定では散って行く花びらを撮影するには難しいです。おすすめの設定は後ほど。

被写体としては小さすぎる

そのまんまですね。舞う桜の花びらを被写体として撮影するには小さすぎます。あくまで副題と言うか飾りみたいな感覚で撮影した方が上手くいくような気がします。

構図のバランスがとれない

桜の花がどう舞うかなんて分かりませんよね。それこそ神のみぞ知るみたいな感じです。なので、構図内での桜の花の舞い方が納得できない撮影が多くなる為、根負けしてしまう事が多いです。桜吹雪を納得行くまで撮影したいなら、十分な時間と膨大な撮影枚数になることは覚悟しましょう。

桜吹雪撮影のおすすめ設定

桜

では、ここからは桜吹雪を綺麗に撮影する為の設定を紹介したいと思います。あくまでこれは一つの提案です。まず、この設定を試してみてからご自身で修正してみて下さい。

設定モード

推奨設定モードは Tvモード です。桜吹雪は動体撮影です。動体撮影の命はシャッター速度です。このシャッター速度が遅いと桜吹雪が写らなかったり、桜吹雪が線となって写ってしまって残念な感じになります。逆にシャッター速度が早ければ桜吹雪をピタッと止める事ができるので、舞っている感じを綺麗に表現できます。

シャッター速度

Tvモードはシャッター速度優先モードなのでシャッター速度を任意で設定しましょう。シャッター速度は以前にも記事にしましたが、動体撮影では1/500秒の高速シャッターを目安にしましょう。当然、風速やレンズの種類にもよりますが、1/500秒ならば大体の動き物は止めて撮影できます。

絞り(F値)

絞りはSS(シャッター速度)による部分もありますが、基本は風景撮影の時と同じ設定で大丈夫です。F8〜F14をおすすめします。ただし、朝方や夕暮れ時に絞りを絞って(F値を上げる)しまうとSSを稼げない時があります。こんな時は絞りを少し開放気味にしてもいいし、ISO感度を上げてみるのも手ですね。ISO感度は簡単に言うとカメラの光に対する感度なので、ISO感度の数字を上げてあげればSSは早くなります。ただし覚えておく必要があるのは、ISO感度をあげる=高感度ノイズが増える ということですね。

ISO感度

ISO感度はSSを稼ぐためのツールとして考えます。SSが遅ければISO感度をあげましょう。おそらくISO感度400くらいならノイズは目立たないと思います。ISO感度400でSSが1/500秒より遅いなら更にISO感度をあげてみましょう。この際の高感度ノイズは多少なら目をつぶりましょう。それくらい割り切った方が撮影は楽しいです。

ドライブモード

ドライブモードって、「1枚撮影モード」とか「連写モード」とか「2秒タイマー」とかを設定するモードです。このドライブモードは、連写モード にする事をおすすめします。っていうのも、桜吹雪の動きは不規則でどこにどれだけ飛ぶとか、こんな舞い方をするとか予想が出来ない被写体なので数多く撮影して納得のいく1枚を選定する方が理にかなっているからですね。

桜吹雪撮影のおすすめ設定をまとめます。

  • 撮影モードはTvモード
  • シャッター速度は1/500秒が目安
  • F値はSSや環境にもよるがF5.6〜F14までが許容範囲
  • ISO感度はSSとの兼ね合いで設定。高感度ノイズは割り切った方がよい
  • ドライブモードは連写モードで撮影
  • 設定はこんな感じです。次に、桜吹雪を綺麗に撮影するためのポイントを紹介します。

    桜吹雪撮影のポイント

    ポイント

    背景

    桜の花びらは非常に小さく目立ちにくいです。なので背景は花びらが目立つような背景がいいでしょう。例えば、少し暗めな背景を選ぶと桜吹雪が栄えます。あとは、青空もいいですね。晴天の日は空の青に桜のピンクが栄えるのでシャッターチャンスです。

    ピント

    桜吹雪にピントを合わせようとすると失敗します。先程も言いましたが、桜吹雪はあくまで副題や飾りとして考えるのがいいと思います。もちろん桜吹雪を主題として撮影するのもいいと思いますが、その際も桜の花びらにピントを合わせるのではなく、置きピン(あらかじめピントを合わせおいて、被写体となる動体が合わせたピント位置にきたら撮影する事)をしておいて桜吹雪がそこに来たらシャッターを切るようにした方がいいです。もちろん連写が望ましいですね。

    ボカし

    これは狙えるものでもないんですが、桜吹雪は当然手前にも奥にも舞っているのでピントを合わせる位置や絞りによっては手前にきた桜の花が大きくボケる事があります。これにより写真に奥行き感が生まれるのでぜひ撮影したデータにそんな前ボケ写真があるか確認してほしいです。

    演出として、あらかじめレンズに桜の花を付けて撮影しても面白いかもしれませんね。

    躍動感ある演出

    桜吹雪の舞う感じを風景やポートレート撮影に取り入れると、躍動感のある表現出来ます。なので積極的に取り入れたい要素ではありますね。

    桜吹雪だからって、暴風の時に撮影しても桜の花びらがヒラヒラ舞う感じは撮影できません。想像に難しくないとは思いますが、桜吹雪は桜の花が舞った感じが伝わるから綺麗なんですよね。それを「今日は風が強いから桜吹雪の撮影をしよう」っていうのは間違っていて、適度な風の強さで十分です。適度な風の目安としては、風速5m/sくらいなら綺麗な桜吹雪の撮影が出来ると思います。

    ストロボ

    夜間のポートレート撮影の際にはぜひストロボを活用してみて下さい。ストロボ光を当てる方向などを工夫すると桜の花びらが光に照らされ幻想的な1枚が撮影出来ます。

    シャッター速度

    設定編でもお伝えした通り、動体撮影に於いてSS(シャッター速度)は命です。1/500秒が目安と言いましたが、遅いと感じたらSSを早くすればいいと思うし、少し遅くして花びらを流して表現したいなら遅くすればいいと思います。その際はSSだけでなくISO感度やF値の設定も確認しながら撮影しましょう。

    連写モード

    こちらも設定編でお伝えした通りですが、桜吹雪はどのように舞うか予想困難な被写体です。なので、自分の決めた構図に理想通り桜吹雪が入り込む可能性はかなり低いです。なので連写モードで撮影して、自分の理想に近い桜吹雪の入り方をした写真を選定しましょう。

    桜吹雪の綺麗な撮影方法まとめ

    桜は散り際までも美しさを僕らに見せてくれます。なので、桜が散るその時までカメラで撮影して春の風物詩を楽しみましょう!

    また、どうせ撮影するなら綺麗に撮影した方がいいので、上記の設定やポイントを抑えて撮影すればきっと綺麗な桜吹雪の写真が撮影できると思います。