光芒ってご存知ですか?光条とも言うかもしれませんが、風景撮影に於いてこの「光芒」を作り出す事でアクセントが加わると言いますか、少し印象的な写真になるので光芒について少し紹介したいと思います。
光芒は初心者でも比較的簡単に出来る撮影テクニックの1つだから、ぜひ作り方などを覚えておくと役に立つよ^^
って事で本日のテーマは、光芒の作り方をマスターして印象的な写真を撮影しよう! です。
- 光芒について
- 光芒が出来る仕組みとは?
- 光芒の作り方
- 光芒がある写真の作例
目次
光芒について
光芒とは 光の筋 の事を言います。
例えば光芒としてよく使われるのが太陽光やライトアップの光などですね。強い光を発している光源なら光の筋を写真の表現として使う事が可能です。
良くSNSなどで見られる光芒は、太陽の光を光源として表現する事が多いですね。さて、そんな光芒の出来る仕組みを紹介したいと思います。
光芒の出来る仕組みとは
光芒にはヒトデのような形もあれば星のような形もあり、撮影条件やレンズによって光芒の強さや光の筋の本数が変化します。
また、全く光芒のでないレンズもあるため初心者の方なんかは「偶然の産物」のように思う方も多くいますが、光芒は実際のところ撮影者の意思で表現される事も多いです。
なぜ光芒の形や本数は様々なのか?
光芒は大前提としてレンズの絞り羽根と言う機構に依存します。上の図はレンズの絞り羽根を図にしてみました。
中央部分は光が通る所で周りの黒い部分が絞り羽根と呼ばれる機構ですね。
カメラの設定でF値を開放にすると絞り羽根が開いて光を多く取り込む事が出来ます。逆にF値を絞ると、この絞り羽根が閉じていくので光を取り込む量が少なくなります。
この辺は基本なので大丈夫ですよね。
では絞り羽根と光芒がなぜ関係あるのかと言うと、絞り羽根は、羽根と羽根が重なり合って光量を調整しますが、この羽根と羽根が重なりあった部分に僅かですが隙間が生じます。この僅かな隙間から光が漏れる事で光芒が発生するという仕組みになっています。
光芒の数もレンズの絞り羽根と密接な関係を持っています。更に図を見てもらいます。
中央部の光の取り込み口に強い光(太陽光や点光源)が入ると、絞り羽根が重なっている部分に光の筋が入ります。その際、回折という現象が発生する為、絞り羽根の重なっている部分とは逆側にも光の筋が入ります。
絞る事でモヤッとした画像になってしまう回折現象とは何か!?
この回折と言う現象は絞り羽根が奇数枚の方が顕著に現れます。なので絞り羽根が奇数のレンズは光芒の数が 絞り羽根×2倍 の光芒が発生します。
一方の偶数枚の場合、絞り羽根の重なる部分が光の取り込み口に対して対象の位置に来るため、絞り羽根の隙間に入り込んだ光同士が打ち消し合うので偶数枚の場合は、絞り羽根の数=光芒の数 になります。
光芒の数は設定では変えられない
何度も申し上げている通り、光芒の数はレンズの絞り羽根の数に依存します。これは、カメラの設定では変更出来ません。光芒の本数の好みは人それぞれなのでなんとも言えませんが、レンズ購入の際には絞り羽根の本数も見ながら購入すると良いかも知れませんね。
円形絞りではどうなるのか?
通常の絞り羽根の機構だと絞り羽根が重なった所は角が出来ますが、円形絞りだと絞り羽根が重なっても光の取り込み口は円形を保ったままになります。
結果、光芒が出ないわけではないのですが角が出来るような絞り羽根の機構を持つレンズに比べると光芒が綺麗に伸びません。
詳しいあれは分かりませんが、円形絞りの場合は光芒の先が広がっていくという特徴があるみたいですね。
最近では、ボケ味を綺麗に出すためかこの 円形絞り を採用するレンズが増えてきたように思います。なので、レンズ購入の際に絞り羽根の枚数や機構を調べてみるのも面白いかもしれません。
光芒の作り方
光芒の作り方なんて大それた書き方しましたが、単純にF値を絞る(数値を大きくする)だけで光芒は出ます。F値によって光芒の出方は違うのでご自身の好みにあった光芒のF値を覚えておくと良いかも知れません。
光芒を作る際の注意点
光芒はただ作ればいいって物でもなくて、光芒を作る上でいくつか注意点があるけど何か分かるかな?
全然分からないわ。
ここでは2つ紹介するけど、結構重要な事だから撮影の際には注意してみてね。
光芒を作成する際に一番気を付けなければならない事は、強い光源に対して撮影するので、撮影の位置関係は逆光の位置での撮影になります。
逆光と言えばフレアやゴーストに関しては注意するべきです。
もし撮影する作品にフレアやゴーストが必要ない場合は、フレアやゴーストが入らないように撮影位置を変えながら撮影しましょう。撮影後のプレビューを良く見てフレアやゴーストの入り具合などを確認してくださいね。
もう一点は、光芒を作る事に意識が行き過ぎて撮影する作品の適正なF値から外れてしまう事です。
僕の場合、風景写真を撮影する際はF値はF8〜F13くらいの間と決めています。もちろん例外もありますが、基本はこの数値なのでこれで撮影して運良く光源があったらラッキーみたいな感じです。なので、この記事の初めの方で「偶然の産物」なんて言い方をしたのはこの為です。
- 逆光での撮影になるのでフレアやゴーストに注意
- 光芒を作る事に意識が取られて、本来の設定から外れてしまう事
この2点は意外と見落としがちだったりするので注意しましょう。風景撮影などでは光芒を作る事が目的ではないですからね。
光芒がある写真の作例
一応光芒についての説明も終わったので実際に僕が今まで撮影した中で光芒のある作品をいくつか紹介したいと思います。
長野県箕輪町 赤そばの里
箕輪町の赤そばの里で撮影した一枚です。赤そばの花に青い空・・・だけでも良かったのですが太陽がちょうど12時の方向にあったのでアクセントとして光芒を出して撮影しました。
長野県茅野市 長円寺
昨年の秋に紅葉のライトアップを撮影したくて行ってきました。綺麗な光芒が出ていますね。お気に入りの一枚です。
山梨県南アルプス市 南伊奈ヶ湖
こちらも昨年の秋に白鳥と紅葉の写真が撮りたくて行ってきました。白鳥待ちの間に撮影した一枚です。木漏れ日ですね。光芒は8本ですね。
光芒についてまとめ
いかがでしたでしょうか?光芒は写真にアクセントを加えてくれるので撮影テクニックの1つとして覚えて於いて損はないかと思います。ただし、さきほどの注意点にも書いたように本来の目的を忘れないようにしましょう。たまたま綺麗な光芒が得られたらラッキーぐらいな気持ちでいいと思います。
機会があれば光芒の作り方も試してみてくださいね!