紅葉
登場人物A

紅葉の季節がやってきたね!長野県は落葉の所も多いけどまだまだ楽しめる場所もあるし、綺麗な紅葉を撮影しよう!

登場人物B

でも紅葉の撮影って思ったより難しいのよね。なんでかしら?

登場人物A

なるほどね。じゃあ、今回は紅葉の撮影がうまくいかない原因を考えながら、どうやったら綺麗に撮影出来るか考えてみよう!

いよいよ紅葉の季節がやってきました。僕の住む長野県は全国でも比較的早くに紅葉が始まるので、一足先に紅葉を楽しむ事が出来ます。

栂池や千畳敷、八方尾根や白駒池から徐々に色づき始めて、平地に紅葉が降りてくるまでの約2ヶ月ほど楽しむ事が出来ます。

僕の一番好きな季節です。

この季節は紅葉を追い求めて、休日は昼夜問わず出歩くので走行距離がやばい問題に直面します(笑)おそらくほとんどのカメラマンさんが同じ問題に直面しているでしょうね。

長野県の紅葉巡りの難しいところは、標高差があるので例えば白駒池が見頃を迎えていても、白駒池から30分ほどの所にある御射鹿池は色付き始めといった現象によく陥ります。なので、あっち行ったりこっち行ったりともうそれはそれは大変な事なります。

そんな話はさておき、紅葉を撮影している時になんか綺麗に紅葉の色が出ないなんて事ありませんか?肉眼で見た感動を写真で伝えるというのは非常に難しい事なんです。

そこで今日は、紅葉の綺麗な撮影方法 を紹介したいと思います!皆さん(特にカメラ初心者さん)の手助けになれたら幸いです。

▼ この記事で分かる事
  • 紅葉の写真が失敗する理由
  • 紅葉を綺麗に撮影するポイント
  • -環境編

    -設定編

  • 紅葉撮影にあると便利な機材

目次

紅葉の写真が失敗する理由

紅葉
登場人物A

なぜ上手くいかなかったのか、原因を考えてみて次回の撮影に活かす事が上達の近道だよ!

まずは、紅葉の写真が思ったようにならない原因を考えてみましょう。

僕の経験だと、「紅葉の色が綺麗に出ない」「写真で見るとなんか実際と違う」「構図が定まらない」などなど色々ありますよね。

最近のカメラは高性能な機種が増えたと言えど、撮影するのは人間ですからやはりある程度の技術は必要になります。僕が考えるに、肉眼で見た時と写真にした時のギャップの理由は、主題が不透明だから と考えます。

どういう事かと言うと、ポートレート撮影の主役は「人」ですよね。物撮りなんかも主役ははっきりしています。風景写真に於いても、主役は「その風景」というように、一見不透明そうですがそのジャンルで成り立ってしまいます。

ですが、紅葉に関しては実は明確な主役ではないのです。紅葉は小さい葉っぱの集まりで木の形もいびつなので、普通に撮影すると散漫な印象になってしまいます。

紅葉を綺麗に撮影するポイント

登場人物A

ここでは、環境編と設定編に分けて紅葉を綺麗に撮影する為のポイントを紹介するね。少しでも参考になったら嬉しいです!

では、紅葉を綺麗に撮影するポイントを紹介します。まず、ポイントを抑える事でその紅葉をどう撮影するかが見えてくるかもしれません。

今回は環境編と設定編に分けてお伝えしたいと思います。

紅葉を綺麗に撮影するポイント(環境編)

▽紅葉を綺麗に撮影するポイント(環境編)
  • 光の向きを考える
  • 背景を考える
  • 撮影アングル・ポジション

光の向きを考える

光の向きや種類を考える

どんな被写体にも言える事ですが、光には主に順光・逆光・サイド光の三種類があります。それぞれの光の向きで被写体は表情を変化させるので、「どの光でどの位置から撮影するか」というのは写真表現で非常に重要になります。

順光

順光は被写体に対して正面から光が当たる事を順光と言います。撮影者からだと後ろから光が差す感じですね。順応は被写体にしっかりと光が当たるので色が綺麗に出るようになります。

色を綺麗に出したいのなら順光での撮影がおすすめです。

しかし、順光のデメリットは陰影が付きにくいので立体感を出すには不向きです。

逆光

逆光は撮影者の前の方に光源がある事を逆光と言います。逆光撮影の特徴は、順光と違い被写体の色が出にくくなります。「じゃあダメじゃん」って思う方もいるかもしれませんが、花や紅葉などの撮影で積極的に狙いたい光はこの逆光になります。

光源を上手く扱う事で、順光やサイド光では表現出来ないような写真に仕上げる事が出来るので失敗を恐れずに逆光を積極的に狙いましょう。

逆光のデメリットは、色が出にくいのと工夫しないと露出が暗くなってしまいます。また、フレアやゴーストの心配もしなくてはなりません。

サイド光

被写体に対して、横や斜めから太陽光があたる事をサイド光と言います。サイド光の特徴は、陰影がつきやすくなるので立体感が出やすくなります。もちろん被写体に光が当たる部分は綺麗に色が出たり、光が当たらない部分はシルエットになったりするので、まさに順光と逆光の中間光と言ったところでしょうか。

背景を考える

背景を考える

背景に関しても光の向きと同様に考えた方がいい項目になります。こちらも紅葉の撮影のみならず写真撮影では必須と言える事ですね。

どういうことかと言うと、簡単に言えば「背景はシンプルが一番」って事です。もちろん背景がゴチャゴチャしているようなら、一眼カメラのボケを活かして思い切ってボカしてしまうのも1つの手だと思います。場合によってはボカす事で玉ボケを得る事ができて、紅葉が可愛らしくなったりもします。

撮影アングル・ポジション

紅葉をアングル違いで撮影する

被写体にもよりますが、写真撮影のテクニックの1つとして「目線の高さで撮影しない」という方法があります。これは、目線の高さで撮影するとそれは見る人にとっても日常の景色なので良くも悪くも印象的でない写真、つまり平凡な写真になりがちです。

例えば、思い切ってカメラを地面スレスレに構えて撮影するだけで撮影者にとっても見る人にとっても非日常な景色を味わう事ができます。道端に溜まった落ち葉をボカしながら前景にして、後景にメインの紅葉の木を入れるとか、これだけ随分違った印象の写真になります。

如何に非日常を表現するかが大切になります。

紅葉を綺麗に撮影するポイント(設定編)

▽紅葉を綺麗に撮影するポイント(設定編)
  • 露出補正の設定を変更する
  • ホワイトバランスの設定を変更する
  • 被写体ブレに注意

露出補正の設定を変更する

露出補正

露出補正の設定は積極的に変更してみましょう。

例えば、木に付いたもみじが綺麗だからと言ってハイアングルで撮影すると、カメラが適正露出にしようとするので綺麗に写ってほしいもみじが暗くなってしまいます。

そんな時には、露出補正を+側に振ってあげる事でもみじが綺麗に撮影する事が可能になります。ただし、空が白飛びするリスクもありますが、ここで表現したいのはもみじの綺麗な色なので問題ないように思います。むしろ白飛びしてた方がもみじの輪郭がくっきりして綺麗に見える効果もあります。

同様に背景が暗いようなシーンでは露出補正を−に振って暗くしてみましょう。先程とは違う印象の写真が撮影出来ます。

撮影する前に背景が明るいのか暗いのか、被写体がしっかり写るのかどうかを見極めて設定しましょう。分からない場合はとりあえず両設定で撮影すればいいと思います。

ホワイトバランスの設定を変更する

ホワイトバランス

意外と忘れがちだったり、見逃しがちな設定がホワイトバランス。ホワイトバランスは白を白に見せる為の機能です。詳しくは下記リンクを読んでみてくださいね。

ホワイトバランスを変更して、写真に変化を加えよう!

なぜホワイトバランスを設定するのか?答えから申し上げると、ホワイトバランスを 曇天 に設定して撮影する事で、写真全体に赤味が乗っかるので、紅葉や黄葉が鮮やかに写るようになります。

なので紅葉撮影時にはホワイトバランスを曇天に設定してあげましょう。

被写体ブレに注意

被写体ブレ

僕がよくやりがちなのが、被写体ブレですね。先日も鏡池で撮影していたんですが、強風の中での撮影でした。池を挟んでの撮影なので遠目で見ると木は揺れていないように見えたんですが、途中で「あれ?被写体ブレしてる?」って事に気付きました。そりゃそうですよね。強風下での撮影なんだから。

でも、紅葉の鮮やかさに見とれていると意外とシャッター速度に気がいかない事があるんですよ。

なので皆さんが紅葉撮影する時は気をつけて下さいね。シャッター速度に正解はありませんが、被写体ブレしない速度が当然ながらベストです。

登場人物A

以上が紅葉を綺麗に撮影する為のポイント解説だけどどうだろう?意識して撮影できそうかい?

登場人物B

思ったより意識するべき点が多いのね。現場で絶景を目の前にしてこれだけの事を意識して撮影する事が出来るかしら。

登場人物A

それは経験を積めば自然と身につくから大丈夫だよ。慣れるまでは色々な事が抜けちゃうかもしれないけど、とにかく写真を撮る事が一番大切な事。そして上手くいかなかったら原因をしっかりと考えて次に活かす事が大切だよ!

レタッチで紅葉をより鮮やかに

紅葉の写真に限らず、撮影後は必ず写真編集して自分が表現したい色などを追求してみましょう。例としては、長野県松川渓谷で撮影した写真です。

松川渓谷

太陽の光が斜に入ってきて、山の陰影が立体感を出していい感じでした。撮影後に家に帰って撮影データを見直していましたが「もう少し色表現を変えてみよう」と思い、Lightroomにて色を変更した結果こうなりました。

松川渓谷松川警告

どっちもいいし、好き嫌いは人それぞれですが僕は後者の写真の方が好きです。「写真編集は邪道だ」って言う方は聞き流していただいて大丈夫です。

でも、写真編集をする事で写真表現は無限に広がります。ぜひRAW形式で保存して写真編集してみましょう

紅葉撮影であると便利な機材

ここでは、紅葉撮影の際にあると便利な機材を紹介したいと思います。

もちろんこの機材がなくても綺麗に撮影出来る方はそれでいいと思いますし、無理に使えと言う理由ではありません。ここまで紅葉の綺麗な撮影方法を紹介してきてこの機材を紹介しないのは少し違うなと思ったので紹介させてください。

その機材は「C-PLフィルター」です。

C−PLフィルターとは?

C−PLフィルターを簡単に説明してしまえば、光の反射を除去する事が出来る機材です。

この光の反射を除去する事で、色を鮮やかに出したり、雨上がりなどで被写体に付いた水滴に光が反射する事で色がうまく出ないなどの問題を解決してくれます。

僕自身、このC−PLフィルターを使用する事ってあまりないんですが紅葉の季節はほとんどのシーンで使用しますね。

有名な写真家さんは角型のC−PLフィルターを良く使用しますが、ある程度の反射なら編集でなんとかなってしまうので僕があまり使いませんね。

購入の際には、ご自身がC−PLフィルターを使用したいレンズの径を調べて、それに合う物を購入しましょう。上記リンクはレンズ径77mmの物です。

C−PLフィルターを使用すると?

では実際にC−PLフィルターを使用した例を紹介します。

びっくりするくらいの変化ですよね。基本的には逆光以外の状況である程度の効果が得られます。詳しくは割愛しますが、持っていて損のない機材ですね。

紅葉を綺麗に撮影するコツのまとめ

こうしてみるとポイントさえ押さえれば、紅葉を綺麗に撮影するのはそんなに難しい事ではないように思います。撮影者が納得出来る写真かどうかは「構図・色味・設定」に分けて考える事が重要です。

構図に関しては、SNSなどで勉強する事が出来るし数多く撮影する事で構図力が身につきます。

色味に関しては、ホワイトバランスや露出補正を調整して自分好みの色が出るように設定を変更してみましょう。もし、撮影現場で上手く行かないならRAW形式で保存して、写真編集で色出しをしてみるのもいいと思います(僕は基本的に写真編集で色調整します)。

色味の部分と同じになりますが、ホワイトバランス・露出補正、そして被写体ブレを防ぐためにシャッター速度に気をつけてみましょう。

少し意識するだけで写真は大きく変化します。色々と試してみて自分好みの表現が出来るように撮影を楽しみましょうね。