皆さん 超望遠単焦点レンズ って聞くとどんなイメージがありますか?これまでの超望遠レンズのイメージは「大きくて重い」ってイメージがあったかもしれません。それに「高価」ってイメージもあるかもしれませんね。
ですが、そんなイメージをキャノンの新しいRFマウントのレンズがこれまでの超望遠レンズのイメージを一新してくれるかもしれません。
それと同時に新コンセプト超望遠レンズとして新しくリリースされたレンズ、これはキャノンの新しい挑戦なのかもしれません。
7月9日のキャノン新製品の発表動画はみなさんご覧になりましたか?その新製品発表の目玉はなんと言ってもキャノンの新しいフルサイズミラーレスカメラの EOS R5 と EOS R6 の製品発表でした。そして、それと同時に発表されたのがキャノンのRFマウントの新レンズ「RF 600mm F11 IS STM」と「RF 800mm F11 IS STM」の発表でした。
冒頭でも申し上げましたが、超望遠単焦点レンズのこれまでの概念は「高くて重くて大きい」ってイメージだったと思います。まぁこの内の大きいは仕方ないと思います。望遠レンズってくらいだから筒(レンズの胴体部分)が長くなるのは当たり前ですからね。
さて、本日はそんな キャノンの新しいRFマウントの超望遠レンズについて紹介 したいと思います!
- キャノンの新しい超望遠単焦点レンズについて
- RF 600mm F11 IS STM について
- RF 800mm F11 IS STM について
目次
キャノンの超望遠単焦点レンズについて
これまで超望遠単焦点レンズを購入しようと思えば、数十万円はくだらなくて、なかなか手が出せない人達が多かったのではないのでしょうか?
基本的に超望遠単焦点レンズってキャノンで言うと高性能レンズのLレンズシリーズしかなかったので、普及しているかと言われたらそういうわけでもなかったんですよね。例えば超望遠(超望遠の焦点距離にしっかりとした定義はないです)の中でも最短の焦点距離とされている400mmのLレンズ。この400mmのLレンズについてみてみましょう。
EF 400mm F5.6L USM
軽量・コンパクトで極めて高い機動力と、Lレンズならではの優れた高画質がひとつになった超望遠400mmレンズ。(中略) 単焦点レンズだからこそ得られるシャープでキレの良い描写力と、優れた色再現性を誇ります。(Canon HAND BOOKから抜粋)
と謳われて発売されたのが、EF 400mm F5.6L USM になるんですが、最大径×長さは「Φ90mm × 256.5mm」、質量は約1250g になっています。これだけじゃイメージが湧きにくいとは思いますがやはり少し大きいですよね。そして、Lレンズだけあって値段が破格です。キャノンの希望小売価格は¥190,000(税別)とおいそれと購入できるような金額ではありません。
キャノン超望遠単焦点レンズ一覧
上記からも分かるとおりですが、キャノンの超望遠単焦点レンズはかなり高いです。当然ながら焦点距離が伸びれば伸びるほど価格もサイズも大きくなります。
レンズ名 | Φ最大径 × 長さ | 質量 | 希望小売価格(税別) |
---|---|---|---|
EF 400mm F5.6L USM | Φ90mm × 256.5mm | 約1250g | ¥190,000 |
EF 400mm F2.8L IS III USM | Φ163mm × 343mm | 約2840g | ¥1,680,000 |
EF 500mm F4L IS II USM | Φ146mm × 383mm | 約3190g | ¥1,080,000 |
EF 600mm F4L IS III USM | Φ168mm × 448mm | 約3050g | ¥1,820,000 |
EF 800mm F5.6L IS USM | Φ163mm × 461mm | 約4500g | ¥1,750,000 |
となっています。EF 400mm F5.6L USM の¥190,000ですら高いと思っていたのに、なんか途中から桁が変わってしまいましたね。こんなレンズを使用する日がいつか来るのでしょうか・・・。って考えたけどプロカメラマンにでもならない限り扱う事は一生なさそうです(笑)
そう思いませんか?サイズ感や重量に関しては、筋トレすればなんとかなるじゃないですか?そこは肉体改造の話になってくるんで問題ないと思うんですよね。やはり一番が価格の面での問題でしょう。ただの趣味として100万円以上の買い物は正直ビビリますよね・・・っていうのが、今までの常識。
今回発売されるキャノンの新しい超望遠レンズは、焦点距離は超望遠域を達成しながらも軽量化と低価格でのリリースを可能にしました。
もちろん、性能面で削れるところは削った感がありますがキャノンのレンズに関してはLレンズでなくとも描写力のある写真が撮影できるので、写りは問題ないのではないでしょうか。とりあえず、先程と同じように 最大径 × 長さ・質量とメーカーの希望小売価格 を見てみましょう。
レンズ名 | Φ最大径 × 長さ | 質量 | 希望小売価格(税別) |
---|---|---|---|
RF 600mm F11 IS STM | Φ93mm × 269.5mm | 約930g | ¥88,000 |
RF 800mm F11 IS STM | Φ101.6mm × 351.8mm | 約1260g | ¥113,000 |
となっています。Lレンズに比べてかなり軽くて低価格ですよね。超望遠単焦点レンズの入門編として、また野鳥撮影したいけどそこまでの散財が出来ない人におすすめではないでしょうか。では、これまでの超望遠単焦点レンズと何がどう違うのか、新レンズの特徴を見ていきましょう。
新レンズの特徴
キャノンの新レンズ「RF 600mm F11 IS STM」と「RF 800mm F11 IS STM」の特徴を見ていきましょう。両レンズとも焦点距離が違うだけで作りに関しては大きな違いはありません。この項を読めばなぜ新しい超望遠レンズが低価格なのかが分かります。
軽量でコンパクトな超望遠レンズ
上記の表からも分かる通り、これまでの超望遠レンズに比べて約70%の軽量化に成功しています。改めて説明する必要もないかと思いますが、軽量という事は撮影の際の機動力が上がります。軽いは正義ですからね。また、このレンズの特筆すべきは軽量というだけでなく、非常にコンパクトだという事です。
レンズは沈胴構造を採用しているので、撮影時以外はレンズの胴体部分の長さを縮める事が出来ます。そうする事で持ち運ぶ際にコンパクトに持ち運ぶ事ができるわけですね。良く考えられています。ちなみに撮影時はロックする事は出来るので勝手に伸び縮みする事はありません。
小型化・軽量化について
なぜ小型化・軽量化が実現したのか?その背景として、DOレンズを採用した事が大きいですね。DOレンズは一枚で複数枚分のレンズ光学性能を持つレンズでこれによりレンズの枚数を削減する事に成功しました。
加えて開放F値11固定の構造と、レンズ胴体部分には樹脂部材を使用した事で小型化・軽量化につながりました。
手ブレ補正機構搭載
超望遠レンズに関してはやはり手ブレ補正が必須かと思いますが、この辺も低価格だからと言って抜かりはありません。「RF 600mm F11 IS STM」に関しては、SS(シャッター速度)換算で5.0段分、「RF 800mm F11 IS STM」に関してはSS換算で4.0段分の手ブレ補正を実現しています。
同時に製品発表された、EOS R5 や EOS R6 のボディ内手ブレ補正協調で最大8.0段分の手ブレ補正が可能になります。これだけ強力な手ブレ補正が使用出来るなら、明るいレンズである必要はないかもしれませんね。
AF性能
AF(オートフォーカス)の駆動モーターにはSTM(ステッピングモーター)を使用。これまでのSTMは少し駆動音がうるさいかなと感じていましたが、時代の流れとともにこの辺も少しばかり改善されているのではと思います。確かにLがレンズに使用されているUSMには敵いませんが静止画撮影なら十分です。動画撮影時は、モーターの駆動音を拾ってしまうのではないかと少し心配ですね。
価格
やはり消費者からしてみると最大の魅力は価格ではないでしょうか。RF 800mm F11 IS STM でも約¥120,000ですからね。Lレンズに比べたら破格です。開放F値11固定と大分絞られているのでボケ加減や採光が心配ですが、公式サイトなどの作例を見ると問題なさそうなレベルです。むしろ綺麗なボケ感だという印象を受けました。
キャノンの挑戦を垣間見れた製品
思えば、キャノン初のフルサイズミラーレスカメラ EOS R に関しては賛否両論でした。その際のユーザーの意見をしっかりと取り入れて、EOS R5 や EOS R6 はデュアルスロットを搭載したり、ボディ内手ブレ補正を搭載したのはもちろんレンズ内手ブレ補正協調とユーザーの考える上を行く開発など、しっかりとトライアンドエラーを繰り返して商品価値の高い製品を作り上げているのだという印象を今回の製品発表やこの超望遠単焦点レンズを見て思いました。
今回の超望遠レンズでは、開放F値11固定とこれまでのレンズ開発では聞いたことのないようなスペックにしてきました。ですが、開発F値11固定にする事で小型化・軽量化を実現し、更に低価格でのリリースはこれまで超望遠レンズを使用した事のないユーザーにとっては手の出しやすい製品になっているので、アマチュアカメラマンのカメラライフが少し変わるのではないかと思っています。
キャノンの新超望遠単焦点レンズまとめ
僕もこれまで超望遠レンズに関しては高価で手の出せないレンズでした。やはりカメラを趣味で行っていて思うのが色々なものを撮影したいと思うんですよね。風景や人物はもちろん、モーターレースや競馬なども撮影してみたのですが、僕の所有しているレンズの最長焦点距離は200mmなので諦めていあた部分もあります。今回のRF 600mm F11 IS STM や RF 800mm F11 IS STM によってもしかしたら新しいカメラの世界が広がるかもしれません。・・・ただ、RFマウント対応のカメラを買わないといけませんが。
現在使用している、キャノンのEOS 6D を使用してもうすぐ5年になります。そろそろ買え時かなとも思っているので悩みますよね(笑)