新年を向かえたと思ったのも束の間、早くも3月に入りました。
今年は暖冬ということで先日の最高気温は19℃と春かと間違えるような陽気でしたね。
この汗ばむ陽気に半袖でパソコン作業をしていたところ「2月なのに半袖で過ごせる陽気なんていよいよ地球もおかしくなってきましたね」という店員さんの言葉に「確かに・・・」と思わず頷いていました。
そんな中、静岡の河津町では河津桜祭りが賑わいをみせています。本州では最も早く桜が楽しめる場所ですね。
今年は新型コロナウイルスの影響もあって各地でイベントが中止になる中ではありますが、例外になく桜の季節になると全国のカメラマンがソワソワし始める季節だと思います。
僕も例外ではなく桜の季節になるとワクワクします。
やはり日本人は桜が好きなのでしょうね。
さて、今日の記事はカメラ初心者に教えたい桜を綺麗に撮る方法と僕が昨年撮った一番お気に入りの桜の写真とその現像を公開と題しましてお送りしようかと思います。
目次
桜の撮影は意外と難しい
桜の撮影って意外と難しいんですよね。その理由は、
- 花見客が多い
- カメラだと思ったより桜の花が白く写る
- 桜に限らず木の枝が行き交っているので散漫な印象の写真になる
- 天候によって撮影方法や構図がガラっと変化する
これらの理由から難しい印象をあたえる被写体の1つになります。
次に具体例を交えてお話しようと思います。
桜の写真での失敗事例
桜の木全体をただ撮っただけの写真になる
これは一番やりがちな例で、桜が全体的に綺麗だからと言って少し離れたところからシャッターを押すと不必要な物が沢山写り込んでガチャガチャした写真になります。
お花見客や祭りの飾り付けなどは特に桜の風景には必要ないのでこれらを画角内に入れない構図を考えた方がいいです。
花びらの色が上手く出ない
桜の花びらって見た目にはピンクに写ると思うんですよね。
ですがカメラで撮影すると白く写って綺麗に色が出ないことが沢山あります。
人間の目は非常に優秀で綺麗に色が出るようになっているので、そのまま撮ると意外と色が出ません。
なので、色補正を少しピンクや赤の方に振ってみたり、露出補正を+側にしてみると綺麗なピンク色が出ます。
露出がアンダー気味で花の印象が暗い
桜の花びらにフォーカスすると下からの煽りのアングルで撮影する事が多いかと思います。
その際に何が起きるのかというと明暗差が激しくなります。(特に晴れた日)
明暗差が激しくなると白飛びや黒つぶれが起きやすくなってしまうので煽り撮影の際にはひと工夫が必要かと思います。
例えば、内蔵ストロボなどを使用して日中シンクロさせてみると桜の花びらが明るく写ります。 日中シンクロで気をつけたいのが光の反射です。桜の木の枝などに光が反射して不自然な印象になってしまうことがあるので、デュフューザーなどで光を上手く拡散しましょう。
花びら以上に黒い枝の方が存在感がある
単純に考えて、青い空に桜を主題として撮るとなにが一番目立つと思いますか?
答えは黒い枝や幹です。桜の花が幹や枝に存在感で負けてしまうのです。
例えば、枝が上手に隠れる構図だったり、思い切って桜の幹の部分は構図内に入れないなどしてみてはどうでしょうか?
SSが遅くて被写体ブレ
桜は動く被写体という認識を持った方がいいです。
その上でSSの設定をするのがいいでしょう。春は風が強い日が多いのでそれに応じたSSでないと
少し早いSSで撮影してみて、被写体ブレするようなら撮影モードに応じてSSを早くするかISO感度を上げましょう。
桜を撮影する上でオススメの設定
僕がオススメする設定はAvモードです。
このモードは絞り優先モードと言って、F値(絞り)を任意で決めてSSは適正露出になるようにカメラが自動で設定してくれるモードです。
基準の設定値は、F8〜13でSSは1/125秒以上になるように意識しましょう。もし、1/125秒より遅くなる場合はISO感度をあげてSSを稼ぐようにすると良きです。
また、花びらなどをアップで撮影する際に背景をボカして写真を撮りたい時は、F値を開放にするよりは開放F値から1段〜2段絞った(F値を大きくする)方がレンズの性能を活かせるとともに被写界深度が浅くなりすぎず(それでも浅いけど)ピントも合わせやすくなります。
https://daily-hot.work/2020/01/11/写真用語:被写界深度を知っていますか?/ボカしたいからと言って絞りを開放にする前に一呼吸置いてからにしましょう。
桜の花びらのピンクを綺麗に出すためには、カメラのピクチャースタイルを 風景 などにすると発色がよくなりますし、場合によっては露出補正を+の方にすると明るくなるので色が鮮やかになります。
注意するのはやりすぎない事。RAWで保存しておけば後で修正が出来るのでRAWで記録しましょうね。
天候による撮影方法の変化
桜の撮影では天候で構図や撮影方法をガラッと変える必要が出てきます。
晴れの日
晴れた日には青空を入れた春らしい写真を撮りたいですね。
晴れた日に意識したいのは光の向きです。順光の時は桜の花びらの色を綺麗に写してくれるので、光の向きに注意して青空と桜を入れたバランスのいい構図を練るのがいいと思います。
曇天時
曇りの日はコントラストが付きにくいので全体を写した写真を撮るには適しません。
逆に 花びらのアップ写真 などが適しています。
それは、雲がデュフューザーの役割をして太陽光を拡散してくれるからですね。 この時も出来るだけ曇り空は入れないで背景も桜で埋めるようにしましょう。
雨の日
雨の日は桜の花びらに付いた水滴を狙ってマクロ撮影などがいいと思います。
晴れた日には撮れない写真が撮れるので、雨の日だからと言って出掛けないのではなく、雨の日でもカメラを持って桜を撮りましょう。
この際、防水対策はしっかり行いましょうね。
雨天時は防水対策を!カメラは精密機械って事を忘れないで!
桜が散り始める季節はカメラを地面に向けて散った花びらを狙うのもいいかもしれません。
要はその景色をじっくり観察して色んな視点で物事を見ましょうってことです。
僕が撮ったお気に入りの桜の写真
桜が散り始めた頃に松本城で撮影しました。
松本城って事で城と桜かと思いきや、お堀から城へ向かう橋の部分です(笑)
もちろん桜とお城の写真も撮ったんですけど、この古びた橋に花筏とリフレクションがいい感じだったのでこの景色を望遠域で撮りました。
構図的には日の丸構図になるかと思います。
橋を画面中央に配置し、桜の幹の部分は入れないように注意しました。
橋と桜の木が同系色なので橋の存在感を活かす為にも望遠域の焦点距離で撮ったわけですね。
今回は基本設定しか公開しませんが、基本設定の他にトーンカーブも少しいじっています。
桜の散る季節の儚さと淡い感じを表現しました。
もはや、オリジナルとだいぶ違いますがレタッチの技術も写真を撮る上で非常に大切な要素かと思います。
桜の撮り方と桜の写真まとめ
レタッチに関してはまた後日書いてみようと思っています。
さて、今年も沢山の綺麗な桜をカメラに収めたいと思います!