ホタル

今年もこの季節がやってきました。いや。もしかしたらもう遅いかな。そう、ホタルの季節です。すでに全国各地で撮影された写真がSNSなどに投稿されていますね。ホタルを撮影する為には一眼カメラが最適です。進化著しいスマホのカメラでも厳しいです。一眼ユーザーの腕の見せどころかもしれませんね。

ホタルは日本の初夏の季節にしか撮影できない被写体です。シャッターチャンスは季節限定になるので、歩留まりを減らしてなんとかホタルの光跡を撮影したいですよね?ですが、一眼カメラユーザーの中にはこんな人もいるのではないでしょうか。

「ホタルを撮影したいんだけど、上手く撮影できない・・・」

非常に分かります、分かりますよその気持ち。僕もカメラを始めた頃は悩みに悩みましたからね。そこで今回の記事は、初心者でも簡単に撮影出来る、ホタルの撮り方について 解説したいと思います。

この記事を読んで、ぜひホタル撮影に活かしてくださいね!

▼ この記事で分かる事
  • ホタルの撮り方や撮影時の注意点
  • ホタルの種類や発生条件

ホタルの種類

ホタル

一言でホタルって言っても、様々な種類が存在します。

  • ゲンジボタル
  • ヘイケボタル
  • ヒメボタル

一般的に良く知られているホタルはこの三種類ではないでしょうか?

ゲンジボタルはごく一般的に良く見られるホタルです。発光量や発光時間ともに大きく長いので撮影者にとっては「ホタルを撮影している」って気になれる被写体です。場所によっては万単位で発生するのも特徴です。

一方のヘイケボタルは、ゲンジボタルよりも小柄で昔は水田部で良く見られていましたが、水田耕作で使用された大量の農薬の影響をもろに受けて壊滅状態で追い込まれています

ヒメボタルの特徴は、通常のホタルは雌の方が大きいにも関わらず、このヒメボタルは雄の方が大きいです。光り方も特徴的で、発光時間がゲンジボタルやヘイケボタルに比べて極端に短いのが特徴的ですね。

ホタル撮影時のマナー

撮影する男性

ホタルは非常に貴重な生き物です。また、ホタルの住む環境を守る為に地元の方々が並ならぬ努力をしている地域が多いです。なので、撮影する前にホタルが生きていく環境を守る為にもマナーをしっかり確認して必ず守りましょう。マナーが守れない人は撮影するべきではありません。

▽ ホタル撮影時のマナー
  • 光を出さない(携帯のフラッシュや懐中電灯、車のヘッドライトはNG)
  • 現地で虫除けスプレーは使わない
  • ホタルを捕まえない
  • 茂みに入らない

これらは必ず守ってほしいマナーです。ではなぜこれらのマナーが存在するのか説明しますね。

光を出さない

ホタルがなぜ光るのかはご存知ですか?ホタルが光るのは求愛行動によるものです。この求愛行動を人工の光で照らすとホタルの生殖や繁殖に影響をもたらします。すると翌年のホタルが激減してしまいます。

ホタルの生息地は基本的に暗がりが多いですが、間違っても携帯の光や懐中電灯で足元を照らすような事はやめましょう。その為に、明るいうちから現地の下見をしておく事をおすすめします。

また、スマホで撮影する時にホタルの光が写らないからと言ってフラッシュを焚く人もいますが、これ逆効果にしかなりません。ホタルの光は非常に弱いものですので、それを強い光で照らすわけだからホタルの光はかき消されてしまいます。

虫除けスプレーは使わない

説明する事もないかと思いますが、ホタルは昆虫の仲間です。もちろん虫除けスプレーへの耐性なんてあるわけないので虫除けスプレーの使用はNGです。

ホタルは捕まえない

昔はホタルを捕まえて喜んでいたんですが、現在ではホタルの採取は禁止されています。なのでホタルは捕まえないようにしましょう。もし、お子さんが捕まえようとしていたら注意してくださいね。

茂みに入らない

何も全てのホタルが光る訳ではありません。ゲンジボタルの場合、飛びながら発光しているのは雄だけです。雌も一応発光しますが、その光は雄に比べて弱く茂みなどで発光するので、迂闊に茂みに入ると雌のホタルに危害を加える事になります。なので、構図を求めて茂みに入る事はやめましょう。

ホタルの発生時期と天候の条件とは?

ホタル

冒頭お伝えしましたがホタルは初夏の被写体です、じゃあ初夏っていつなの?って疑問ですが、現行の太陽暦での夏至が6月22日なので、その頃には全国各地で発生しています。早いところでは5月下旬から発生する場所もあるみたいですが、僕の住む長野県では夏至付近が見頃のハズです。(個人調べ)

また発生する時間帯ですが、日が沈む頃の時間にはスタンバイが完了しているのが好ましいです。時間にすると19:30〜20:00に発生する確率が高いので、この時間帯は良く観察してみてくださいね。

天候の条件としては、風の弱い日・気温と湿度が高い日・新月に近い月齢、この条件を満たす日はぜひホタルを撮影しに出掛けてみてくださいね。では、まとめます。

  • 発生時期や時刻は6月〜7月初旬の19:30〜が狙い目
  • 天候条件 風の弱い日・気温と湿度の高い日・新月に近い月齢の時

ホタルの発生場所を探す方法

ホタルの発生時期や天候条件が分かったところで発生場所が分かっていないと元も子もありませんよね。現代ではホタルの発生場所は簡単に調べる事ができます。

ネットで発生場所を調べる

ネットにはありとあらゆる情報が転がっています。ホタルの生息場所も然りで、検索窓に「ホタル 生息地 長野」とか入れるとある程度の生息地が検索されます。この情報を元に一度現地へ行って確認してもいいかもしれませんね。

地元の人に聞く

原始的な方法ですが、現地の事は現地の方に聞くのが一番確実です。ホタルが発生しそうな場所も見つけたら現地の方に聞いてみるのもいいかもしれません。

SNSで特定する

SNSなどでホタルの写真を投稿しているユーザーに聞いてみるのも手かと思います。教えてくれるかどうかは分かりませんが聞く事はタダなので聞かないと損です。

撮影の前に行うべき事

Good

一番はロケハンです。ホタルが発生する時刻は周囲が暗いので構図探しが非常に困難になります。もちろん懐中電灯などで周囲を照らすなんて事はご法度なのでやめましょう。では、どうするかというと、明るいうちに現地のロケハンをしておくと撮影時に微調整だけで済むので土地勘のない人は必ず明るいうちにロケハンをしておく事をおすすめします。

長々色々と説明してきましたが、お分かりの通りホタル撮影はカメラをセットする前の下準備が非常に重要になります。この下準備を怠ると撮影時に不便な事が起きたりするのでしっかり行いましょう。

ホタルの撮影で適した服装と必要な機材紹介

アングル

ホタル撮影には必須の機材がいくつかあります。また、ホタルは人里離れた場所に発生するのでそのような場所で撮影するに適した服装がいいと思います。ホタル撮影はホタルの撮影スポットへ行って、手持ちでサクッと撮影してサクッと帰宅なんて出来ません。そこでどんな服装で行って、どんな機材が必要なのか紹介していこうと思います。

ホタル撮影に適した服装

ホタルが発生する場所は、山奥の水辺などに発生します。なのでアウトドアに行くような服装がいいと思います。また、虫刺されを防ぐために長袖長ズボンがいいです。それプラス、夜は肌寒い季節なのですぐに着れるような上着を一枚持っていくといいでしょう。

足元は、歩きやすいスニーカーやトレッキングシューズ、水辺を歩くので長靴でもいいです。とにかく歩きやすくて汚れてもいいような靴がベストです。

ホタル撮影に必要な機材

ホタルを綺麗にカメラに収めるには必ず必要な機材がいくつかあります。逆に言うとその必ず必要な機材がないと綺麗にホタル撮影が出来ないので必要な物で持っていないものがあったらすぐに購入してください。

  • 三脚
  • レリーズ(有線シャッター)
  • 予備バッテリー
  • 開放F値の明るいレンズ(F2.8以下推奨)
  • 黒い布(液晶画面の光漏れを防ぐため)

上記がレリーズになります。長時間露光撮影時には必要な機材になるので購入しておいて損はありません。機種によって対応する端子が違うので対応端末をよく確認してから購入してくださいね!

ホタル撮影の際に気をつける事

それでは、いよいよ撮影してみましょう。まずは、設定を変更しておく必要があります。他の人への配慮の意味も込められた設定もありますので面倒くさらずに確実に行いましょう。

AF補助光はオフにしましょう

さきほどから述べている通り、人工の光はどんなに小さい光でもホタルにとっては有害の何物でもありません。なのでAF補助光はカメラの設定で確実にオフにしましょう。

アクセスランプを隠しましょう

キャノンには、メモリーカードにアクセスする際や、長時間露光撮影(シャッター速度を長くする撮影方法)時にアクセスランプという赤い光が点灯します。この光もホタルには有害だし、他の撮影者の写真に写り込んでしまうのでテープなどで隠しましょう。

手ブレ補正もオフ

基本的にホタルの撮影は三脚を使用します。なので手ブレ補正が誤作動しないように手ブレ補正機能はオフにしましょう。ホタル撮影に限らず、三脚使用時は必ず手ブレ補正はオフにするのは常識ですね。

長時間露光撮影ノイズ低減機能もオフ

ホタル撮影の基本は長時間露光です。長時間露光ノイズ低減機能は非常に便利なんですが、ホタルの光跡は連続している写真の方が綺麗なので長時間露光ノイズ低減機能がオンしていると光跡が途切れ途切れになってしまうので、この機能もぜひオフにしてくださいね。

記録形式の確認

記録形式は必ずRAW+JPEG 保存にしましょう。というのも、後で写真編集(レタッチ)する際にRAWデータがあるとレタッチ耐性が優れているので写真編集が非常に楽になります。

JPEGは、PCなどでデータを確認する用として保存します。

ホタルの撮影方法

TAMRON

それではホタルの撮影方法を解説します。撮影時の設定変更時は常にカメラの本体部に液晶画面の光が漏れないように黒い布を被せて変更しましょう。

ちなみに、ホタルの光跡はコンポジット(比較明合成)をする方法が一般的かつ簡単で綺麗な写真が出来上がります。なので、いくつかの工程に分けて考える必要があります。

背景撮影

日が沈み周りが暗くなってきたら、三脚にカメラをセットして背景にピントを合わせてください。よく勘違いするのが「ホタルの撮影なんだから、ピントはホタルに合わせればいいんでしょ」って方がいますがこれは大間違いだし、ホタルにピント合わせるなんて不可能です。

なので、ピントは風景(背景)に合わせるようにします。この時、ピントがズレないようにピントリングをテープなんかで固定してもいいかもしれませんね。

ここで気をつけたいのが、ホタルの発生時刻とこの背景の撮影時刻には時間差があるので露出(写真の明るさ)に気をつける事です。撮影後に調整してもいいですが、予め背景撮影の際に露出をマイナス気味に振っておくと雰囲気が合うと思います

気をつける点がもう1点あって、背景撮影だからと言ってあまりF値を絞りすぎるのはよくないですね。ホタルの光跡の撮影時は開放気味で撮影するので、背景撮影時も開放気味で撮影すると後ほど合成する時に自然な仕上がりになります。

ポイント
  • 背景撮影時は露出をアンダー気味で撮影する
  • 絞り(F値)は開放気味で撮影する
  • ピントは背景の合わせたい位置にMFで合わせる

ホタルの光跡撮影

日没後、ホタルが光始めたら設定変更をします。まず、ドライブモードを連写モードへ変更します。撮影モードはマニュアル撮影が理想です。そして、絞りは開放にしましょう。レンズの開放値が2.8ならF2.8がいいです。ISO感度は8秒〜15秒を目安に設定してみてください。ISO感度は絞りとの関係もありますが、F2.8ならISO1600くらいがいいかと思います。

もし開放F値がこれより暗いレンズを使用する場合は、ISO感度を上げて対応していきます。僕は開放F値がF4のレンズを使用するのでISO感度3200くらいに設定しています。

絞りに関しては開放値での撮影でいいですが、ISO感度やSS(シャッター速度)は数枚撮影しながら設定し直してみてください。設定が完了したら、いざ撮影です。

撮影方法は、レリーズのボタンをロックして自動撮影出来るようにします。これで数枚〜数十枚の写真を撮影して後ほど合成します。

ポイント
  • 絞り(F値)は開放値
  • ISO感度は絞りによって変更する必要があるがF2.8でISO感度1600が目安
  • SS(シャッター速度)は8秒〜15秒目安。あまり長すぎるとノイズ盛々な写真になるので注意
  • 撮影はレリーズのシャッターボタンをロックして自動撮影にする

撮影後は比較明合成で仕上げる

ホタル

撮影後は撮影データを写真編集ソフトで合成します。比較明合成は、合成する複数枚の画像を比較して明るい所を採用して一枚の画像にする手法です。

星景写真では比較明合成が主流!比較明合成とは!?

なので、最初に撮影した背景の写真とホタルの光跡を撮影した写真数枚を写真編集ソフトで比較明合成をすると綺麗に仕上がります。

ホタルの撮り方まとめ

ホタルが撮影出来るのは一年で一ヶ月という非常に短い期間です。ホタルの撮影の方法をしっかりと勉強して悔いの残らない撮影を行いましょう!