レンズヒーター

お盆も過ぎて残暑の厳しい季節になりましたが、朝晩はすっかり秋めいてきました。鈴虫の泣き声や適度に涼しい風など気持ちのいい季節ですね。長野県は少しずつではありますが、秋の訪れを感じさせます。この季節は外で飲むビールが非常に美味しいです。お酒激弱だけど・・・。

話の流れからして美味しいビールの銘柄なんかを紹介したいのですが、今日は星景写真の撮影時なんかに必要な レンズヒーターについて のお話をしていこうと思います。

▼ この記事で分かる事
  • レンズヒーターについて
  • レンズヒーターの重要性
  • 結露の仕組み
  • レンズヒーターを選ぶ時の注意点
  • レンズヒーター以外に必要な物

目次

レンズヒーターについて

レンズヒーター

皆さんレンズヒーターってご存知ですか?名前そのままの機材なので特に特別なあれもないんですが、レンズヒーターとはモバイルバッテリーを動力としてヒーター部分に熱を発生させて、レンズを温める為の機材です。

レンズヒーター自体は知っているけど いつ・なんの為 に使用するか分からない人も多いのではないでしょうか?

レンズヒーターを使用するべきシーン

ざっくり言えば、寒暖差の激しいシーンでの撮影の際には使用する事をおすすめします。

例えば、星景写真とか気温の下がる日の夜景撮影とかもあったほうがいいかも知れませんね。あとは、暖かい車内から冷えた外気にカメラを長時間晒す時もあったほうがいいです。

レンズを温める理由

ではなぜ寒暖差の激しいシーンでレンズを温める必要があるのかご存知ですか?

答えはズバリ 結露防止 の為です。結露って言うのはあれです、冬場とか窓に水滴が付着しているじゃないですか?あれが結露ですね。

あの現象が、レンズでも同じ現象が起きます。結露が起きるとどうなるのか?と言うと、撮影した写真に白い靄(もや)みたいなものが写り込んでしまいます。なのでクリアな写りにならずボツ写真になってしまう可能性があります。

幸いな事に僕は諸先輩方に助言をいただいていたので、今まで結露によってのボツ写真は一度もありませんが、経験した人にしてみるとかなりショックだったみたいですね。

この辺は僕の持論ですが、星景写真や夜景撮影は昼間の撮影に比べて難易度が非常にあがります。それは、撮影技術ももちろん、撮影環境のハードルも上がります。つまり、通常の撮影に比べて苦労が必要になります。そんな苦労して撮影した写真が靄なんかでボツになってしまったらと思うと、確かにショックですよね。

レンズヒーターの重要性

結露

「レンズヒーターって必ず必要な物なの?」って方もいるかもしれませんね。結論から言えば、綺麗な星景写真や夜景写真を撮影したいなら必ず必要です。特に冬は。

冬の星が好きで撮影したいと思っている方も非常に多いかと思いますが、冬は基本的にレンズヒーターは必需品です。単純に空気が冷えているので、レンズ内の暖かい空気が水蒸気となってレンズに結露が起きます。先述した通り、結露が起きてしまった日はそのレンズでの撮影はほぼ諦めた方がいいでしょうね。

結露で発生した水滴を拭くのはダメ、絶対。

「結露が起こったら水滴拭けばいいじゃん」って思った方もいるかと思いますが、そんな単純な事じゃないんですよね。まず、レンズにもフィルターにも特殊なコーティングがされているので拭いてしまうとコーティングが剥がれる可能性があります。

そもそも星の日周運動を撮影している時は拭いている時間もありませんけどね。

なので冬に限らず気温の低い日なんかは必ずレンズヒーターを使用する、もしくは常備していた方がいいです。対応できるようにしておかないといざって時に対応取れないからね。

▽レンズヒーターが重要な理由
  • 結露を起こし写真に靄が掛かる(白っぽくなる)
  • 一度結露を起こしたレンズはなかなか状態回復しないので撮影に支障が出る
  • その後のカビの発生が懸念される

でもそもそもの話で結露ってなんで起きるの?って話なんですよね。ちょうどいい機会なので結露の仕組みについて解説したいと思います。

結露が起きる仕組み

結露

ちょうどいい機会とか言いましたが、結露の仕組みを知っていた所でこの先の人生で役立つかは分かりません。ですが、知っておいて損はないかと思い、少し調べてみたので紹介したいと思います。

馴染みのあるシーンだと、コップに付着した水滴なんかも結露の一種になります。コップに入れた冷たい水と外気の暖かい空気によって結露が発生します。

冬によく見られる、部屋の窓に付着する水滴も結露によるものですね。これは、暖められた室内の空気と冷えた外気によって結露が発生しました。

これと同じ現象がレンズ内で発生します。どういう事かと言うと、車内を暖房で暖めると車内に置いてあるレンズ内の空気も暖められます。そんな暖められたレンズを冬空の冷えた空気の下に晒す事によって結露が発生します。

結露の仕組み

暖かい空気中の水蒸気は冷やされて、「飽和水蒸気量」を超えると水に変化します。一般的には、温度が低いと結露しやすいと言われていますが、空気中の水蒸気の量が少なければ結露は起こりません。

とは言うものの、砂漠じゃあるまいしそんな水蒸気を含まない空気のある所での撮影なんて考えられませんから、気温の低くなる場所での撮影ではレンズヒーターはマストで必要になりますね。

結露が起きやすい条件

結露の起きやすい条件としては以下の条件が当てはまるかと思います。

  • 湿度が高い
  • 表面温度が低い
  • 風通しが悪い場所

撮影時にこれらの条件が当てはまるような場所なら結露の可能性を考えた方がいいでしょう。いかなる時でもリスクヘッジは重要です。

レンズヒーターを選ぶ時の注意点

では、レンズヒーターを購入する際の注意点を紹介します。まずは、レンズの外周に合ったレンズヒーターを選ぶ必要があると言う事。レンズヒーターと言っても様々な種類の物があります。その様々な種類の中で何が違うのかと言うとレンズヒーターの長さです。当然長い方が、径の大きなレンズに対応できます。

そしてもう一点、レンズヒーターの太さです。一見して、太い方がレンズの大部分を暖められるのでいいような気もしますが、僕個人の見解は 細い方が使いやすい です。なぜかと言うと、レンズヒーターが太いとピントリングに干渉して、いざと言う時にピントリングの調整が困難になるからですね。

なので、所有しているレンズの最大外周を測ってそれに対応できる細いレンズヒーターを購入しましょう。

  • レンズヒーターはレンズの外周をしっかり覆える物にする
  • レンズヒーターはピントリングなどに干渉しない物にする
この2点に関しては必ずチェックして購入しましょう!ちなみに僕の使用しているレンズヒーターの効果は抜群だ!って感じのレンズヒーターを使用しています。もしよければ、参考にしてくださいね。
先程の記述通りで、レンズの外周をしっかり覆ってくれるし細いので撮影中のピント調整もレンズヒーターを装着したまま行う事が可能です。

レンズヒーター以外に必要な物

レンズヒーターを使用する上でレンズヒーター以外にも必要な物があります。なぜならレンズヒーターだけでは動きません。動力が無いからです。レンズヒーターの多くはモバイルバッテリーを動力として作動するので、モバイルバッテリーが必要になります。また、そのモバイルバッテリーを宙ぶらりんにしておく訳にもいかないのでストーンバッグなどの、物を置いておく所も必要かなと思いました。

ストーンバッグの必要性

ストーンバッグなんて聞き慣れない言葉だとは思いますが、そもそもの使い方は三脚の脚にストーンバッグのバンドを巻いて取り付け、そこに石などの重量物を置いて三脚を安定させる道具ですね。

これがなぜ必要なのかと言うと、レンズヒーターはモバイルバッテリーを動力とする為、モバイルバッテリーの置き場所に困るからです。レンズヒーターのケーブル自体そこまで長くないので地面に直置きなどは三脚の高さによっては不可能になります。また、暗所部での撮影なのでうっかりモバイルバッテリーを蹴ってブレてしまう可能性もあります。そんな自爆をしたら悔やみきれないですよね。なので、置き場所はしっかりと決めたほうがいいし、ケーブルに負担をかけないためにもストーンバッグは購入して損の無いアイテムだと思います。

また、レンズヒーターを使わないようなシーンでもストーンバッグは役立ちます。三脚を使用するような撮影シーンでは、フィルターを多数使用したり、レリーズを使用したりと何かと機材が増えてしまいます。そんな時にストーンバッグがあれば機材の置き場所が決まるので、何かを無くすとか落とすなどのリスクヘッジにもなるのでおすすめです。

モバイルバッテリーの容量

もちろんどれくらいの撮影時間を想定して購入するかにもよりますが、撮影時間なんて予想できないですよね。だって楽しくなって朝になってしまったなんて事よくあるもん。

って事はですよ?仮に夜の19時から朝方まで撮影していたとしたら最低でも8時間〜10時間は保つようなモバイルバッテリーでないと心配です。最悪、モバイルバッテリー2個持ちとかもいいですが、荷物は極力少なくしたいし、撮影中に三脚やカメラ付近の所でガチャガチャ作業はしたくないですよね。

なのでモバイルバッテリーの容量は非常に重要です。

ではどれくらいの容量が必要なのか?って話になりますが、僕の所有しているレンズヒーターの説明書には「モバイルバッテリー10000mAhで駆動が6〜10時間」となっています。たぶんその4時間の誤差は、撮影環境に左右されるのでしょうね。って事は、10000mAhじゃ少し心配って事です。

なので僕が購入したのは、Ankerの20000mAhのモバイルバッテリーを購入して使用しています。正直な所、8時間も10時間も撮影していた事は無いですが、なんとなく感覚的には大丈夫そうです。最長で6時間くらいかな?余裕でバッテリーは保ちました。

レンズヒーターの紹介まとめ

今回レンズヒーターなんて普段馴染みのない機材の紹介をしたのは、その機材が星景写真の撮影を含め。これからの季節に必要不可欠な機材だからです。

そして、高価な機材が多い中で比較的に安価で揃えやすくコスパもいいのでぜひ購入してほしいアイテムという事もあり紹介させていただきました。

これを機に、レンズヒーターとモバイルバッテリーを購入して星景写真や夜景撮影に役立ててみてはどうでしょうか!?