三脚の頭の部分をなんて言うかご存知ですか?答えは 雲台 って言うんですけど、この雲台の重要性は皆さん理解していますか?
雲台を侮るなかれとは良く言ったもので、可能ならばこの雲台もこだわった方がいいかもしれませんね。
だからと言って、高価な数万円の雲台を購入しろなんて言わないですよ。ただ雲台の役割なども知っておいた方が、後々役立つかもしれません。
なので本日は、カメラを固定する際の雲台の重要性について! をお送りしていと思います。
- 雲台について
- 雲台が重要な理由
- 雲台の種類
- アルカスイス互換とは?
- 雲台購入時に気をつける点
- おすすめの雲台紹介
-自由雲台
-3way雲台
目次
雲台について
雲台とは、三脚にカメラを乗せる為に必要なカメラを固定する台座の事を雲台と言います。この雲台がしっかりしていないとカメラ固定の際にブレを起こしたりして綺麗な写真が取れなくなってしまいます。
「たかが雲台、されど雲台」って感じです。
雲台なんて聞き慣れない言葉ですよね。僕もカメラをやるまで知らなかったし、ちゃんとした意味や用途、重要性を調べたのなんてつい最近の話です。そこまで重要視していなかったのが本音ですね。
ですが三脚の知識を深める為の勉強をしていたついでに雲台も調べてみたんですが、これが結構重要な物だと思ったので皆さんにも紹介しようと思いました。
雲台が必要な理由
雲台が必要な理由として、一番は当然ながらカメラを三脚に固定する為に必要だと言う事ですね。 正直な話、固定するだけなら雲台を必要としない三脚もありますが(三脚に直付けタイプ)、三脚に直で固定すると構図の微調整が出来ません。これを解決してくれるのが雲台ですね。 雲台があることで構図の微調整が出来るし、雲台分の高さも出るので三脚のアイレベルが稼げると言ったメリットもあります。
まぁ、雲台無しでカメラを固定するなんてありえないって話です。
- カメラを三脚に固定する為
- 構図の微調整が簡単に出来る
- 雲台分の高さが確保できる
雲台の種類
雲台には種類があります。現在使用されている雲台でオーソドックスな雲台は2種類で 自由雲台・3way雲台 の2種類になります。
それぞれの雲台にメリットやデメリットがあるので見ていきましょう!
自由雲台(ボール雲台)
ボール雲台とも言われるこの自由雲台。ボール状のパーツを挟み込むような形状をしていて、このボール部分をネジで締め込んで固定し、ネジを緩めて動かします。
最大のメリットは、とにかくコンパクトで軽量って事ですね。また自由度が高いので構図を決める際も一瞬で角度調整が出来るのも売りです。
デメリットとして、構図の微調整が難しいのとネジを締め付ける際に若干の構図のズレが生じる事があることですかね。
向いている撮影シーンとしては、風景撮影や動体撮影など瞬時に構図を変更したい時に向いています。逆に不向きな撮影シーンは、長い時間カメラを固定しないといけない長時間露光撮影や、微妙な構図調整が必要なマクロ撮影時はあまり向いていない雲台です。
- コンパクトで軽量なので機動性に優れる
- 可動域の自由度が高いので構図決めが簡単
- 構図の微調整は慣れが必要
- 固定する際に物によっては若干構図がズレる可能性がある
- 風景撮影・動体撮影
- 長時間露光撮影・マクロ撮影
メリット
デメリット
自由雲台に適した撮影シーン
自由雲台に不向きな撮影シーン
3way雲台
自由雲台と双璧を成しているのが3way雲台です。この3wayとは3つの方向に動かせるという意味から名付けられました。左右の回転・左右の傾き・前後の角度、これらを2つのハンドルと1つのネジで調整して構図を決めます。
3way最大のメリットは、水平を取りやすく構図の微調整が効く事ですね。あと見た目がなんかメカ感があってカッコいいです。
一方でデメリットは、まず大きくて重いです。雲台だけで1kgになる雲台もあるので機動力と言う点では不向きですね。僕も3way雲台を使用していましたが、重くて自由雲台に変更しました。あとは、瞬時の構図変更が出来ないことです。なので、じっくりと構図を練り込んで撮影するスタイルには強さを発揮します。
向いている撮影シーンは、構図をガッチリ決めて固定の出来る長時間露光撮影だったり、構図の微調整をしなければならないマクロ撮影なんかには向いています。逆に向いていない撮影シーンは、瞬時に構図を変えなければならない動体撮影には不向きですね。
- 水平が取りやすいので構図の微調整が簡単
- 見た目にメカ感があってカッコいい
- 大きくて重いので機動性に欠ける
- 瞬時の構図変更が出来ないので動体撮影には向いていない
- 風景撮影・マクロ撮影
- 動体撮影・自由に構図変更をしたい撮影
メリット
デメリット
3way雲台に適した撮影シーン
3way雲台に不向きな撮影シーン
自由雲台と3way雲台のそれぞれの特徴やメリット・デメリットに関して理解していただけたでしょうか? 次に、雲台を購入する際に知っておきたいことの1つとしてアルカスイス互換という機構があります。 これについても皆さんに説明しておく必要があるので解説しますね。
アルカスイスについて
「え?なに?どこか海外の地方都市ですか?」って感じの名前なんですが、アルカスイスとは雲台の会社の名前です。 スイスの会社なのであながち「地方都市の名前」って言っても間違いじゃない気がしますね(笑) で、アルカスイスについては分かりましたが今回紹介したいのは「アルカスイス互換」についてです。
アルカスイス互換について
雲台には様々な種類がありデザインや機能を見て、自分好みの雲台を購入すればいいと思います。
ですが、一点だけどうしても注意したいのが 雲台とクイックシュープレートの規格 です。雲台やクイックシュープレートって数多く発売されているにも関わらず規格が統一されていないんですよね。
そんなの困ると思いませんか?
各メーカーで雲台やクイックシュープレートを好き勝手作っていたら互換性がないので、「この三脚の雲台にはこのクイックシュープレートじゃなきゃ駄目」とか、「この雲台とクイックシュープレートの規格が違うから取り付けられない」とか色々問題が起きてしまいます。
僕の経験談では、イタリアの三脚メーカーのマンフロット社の3way雲台を使用していましたが、非常に重い雲台だったのでSIRUIの雲台に交換したところ、マンフロットのクイックシュープレートが装着出来ませんでした。
これは単純にマンフロットのクイックシュープレートの規格とSIRUIの雲台の規格が違ったからですね。
これでは利便性も何もありませんよね。そんな「規格が合わない問題」を解決してくれたのがアルカスイスです。
アルカスイス社が発案したこの機構は、固定力に優れ・安定性も抜群なので、これを良しとした各三脚メーカーや雲台メーカーが、アルカスイスに似たような機構の雲台やクイックシュープレートを製作するようになりました。この話流れからすると「アルカスイス互換」が何かもうお分かりですよね。
つまりは、他社の作った雲台やクイックシュープレートでもアルカスイス式の機構であれば互換する という事でアルカスイス互換と呼ばれるようになりました。長くなりましたが、雲台を購入する際には非常に重要な点になるのでチェックしてみてくださいね。
アルカスイス(互換)のメリット
- 抜群の安定感と固定力
- 高い互換性
- L字型プレートが使用可
抜群の安定感と固定力
カメラを固定する為の雲台ですから固定力や安定感はしっかりとしていてほしいですよね。
アルカスイス社の雲台は安定感や固定力に関しては世界トップレベルと評されています。数ある雲台でもアルカスイス社の雲台を購入しておけば間違いないのではないでしょうか。
ただし、「雲台にそんなに金掛けるんかい!」ってくらいの値段になりますけどね。
高い互換性
先程説明した通り、多くの三脚メーカーや雲台メーカーでこのアルカスイスの機構を多く取り入れているのでメーカーが違ってもカメラの装着が出来るようになりました。
なので僕が経験した、「規格違いで固定できない問題」も解決してくれます。ただし、今でも独自の機構で雲台やクイックシュープレートを製作している会社もあるので注意が必要ですね。
L字プレート(L字ブラケット)が使用可
このL字プレートとは、カメラを横構図から縦構図にする時に便利なアイテムになります。
横構図から縦構図にする際の方法として、雲台が90度傾く位置になるようにセットするのがオーソドックスかと思いますが、これには問題が何点かあります。
- カメラを倒した状態で固定するので重心がずれる
- カメラの位置が変わるので構図がずれる
- 再び縦から横構図に戻した時にやっぱり構図がずれる
撮影する上で、横構図と縦構図を変更するたびに構図直しをするのは非効率だしシャッターチャンスを逃す可能性だってあります。せっかくの撮影ですからストレスフリーで行いたいですよね。そこで便利なのがL字プレートなる文明です。これには、ドラえもんもびっくりです。
このL字プレートはプレート全体がアルカスイス互換になるように溝が削られているのでアルカスイス機構ならほとんどのサイズに合うようになっているので控えめに言って超便利です。
横構図から縦構図にする際も、またはその逆にする際も構図のずれなどもないのでカメラに付けっぱなしの人も多いアイテムですね。ちなみに僕はつけっぱなしです。
アルカスイス互換が分かったところで雲台を購入する上で注意するポイントを紹介したいと思います。
雲台購入時に気をつける点
では雲台を購入する際に気をつける点を紹介したいと思います。
- ボール直径(自由雲台の場合)
- 耐荷重
- アルカスイス互換
- 自由雲台 or 3way雲台
個人的にはこの4つは必ず見るべき・考えるべきかと思います。
ボール直径
自由雲台の場合はボールの直径を見ましょう。ボール径が大きいものほど安定感のある雲台になります。
耐荷重
三脚だけでなく雲台にも耐荷重と言うものがあります。雲台の耐荷重が「雲台そのものが耐えられる重さ」なのでやはり重量に余裕のある雲台がいいと思います。最低でも カメラボディ+レンズ+a くらいの重量は見といた方がいいですね。
アルカスイス互換
これに関しては、絶対と言っていいほどアルカスイス機構の物の方がいいです。理由としてはこの世の中に出ている雲台は圧倒的にアルカスイス機構が多いからです。機材を入れ替えてもアルカスイス機構なら取り回しやすいですからね。
自由雲台 or 3way雲台
好みと言えば好みかなとは思います。僕は風景写真を撮影する上でどちらも使用した事がありますが、どちらにもメリット・デメリットはありますからね。それに動体撮影にしても基本は手持ちか一脚を使用するのでなんとも言えません。
ただ、3way雲台での水平出しは非常に気持ちよかったですね。構図の水平がしっかり決まる事は良い写真を撮影する上では必要不可欠な事ですからね。
おすすめの雲台紹介
これまでのことを踏まえた上で僕のおすすめしたい雲台を紹介したいと思います。ぜひ参考にしてみてくださいね。
SIRUI K-20X
SIRUIの自由雲台の紹介です。
ボール直径は38mmで、雲台の重さは0.35kgで最大搭載荷重は25kgになります。僕も現在使用していますが、特に不満に思う点はありませんね。非常によく作られた商品だと思います。強いて言うなら、冷え込んだ真冬の日なんかはボールの動きが少し悪い感じはしますが、許容範囲内です。
ちなみSIRUI雲台のKシリーズには、この20の他に10と30がありますが、10はトラベル三脚などの携帯性の高い三脚に、30は大型の三脚に使用するのがいいと思います。
ボール直径 | 38mm |
---|---|
雲台重量 | 0,35kg |
最大搭載荷重 | 25kg |
ベース径 | 54mm |
付属 | クイックシュー・水準器 |
ARCA SWISS Z1
アルカスイス社に関して紹介したのでアルカスイス社の雲台も紹介したいと思います。アルカスイス社のモノボールZ1です。
アルカスイス社では一番人気のモノボールですが、なにせ価格が高いので手が出ないんです。確かフリップロックで8万円近かったような・・・。デザインは凄くカッコいいので憧れますけどね。
耐荷重は驚異の60kgになります。ベース径はΦ70で雲台の重さは700gです。雲台にしては少し重いかなと感じますが、自由雲台の重さなんてあってないようなもんですからね。
調べたんですがボールの直径は記載されていませんでした。
ボール直径 | ?mm |
---|---|
雲台重量 | 0,7kg |
最大搭載荷重 | 60kg |
ベース径 | φ70mm |
付属 | クイックシュー・水準器 |
雲台についてまとめ
雲台について解説してきました。正直な事言えば、馬鹿高いような雲台は必要ないかと思います。僕の感覚では1万円前後ならまぁOKって感じですね。
重要なのは高い雲台を使用する事ではなくて、安定感のあって固定力がしっかりしている雲台を使用する事が重要です。
雲台も三脚と同様に多くの物がリリースされているのでよく勉強して購入しましょう!