

最近はフィルムライクな写真がSNSでもよく見られるようになったよね。

あれってみんなフィルムカメラで撮影しているのかしら?荷物多くなりそうね。

いや、あれらは写真編集でフィルム調を表現しているんじゃないかな?

え。写真編集ってそんな事まで出来るのね。

意外と簡単だから今回はフィルムライクな写真編集を解説したいと思うよ。
皆さんレタッチはしていますか?
僕は撮影した写真は必ずレタッチするんですが、写真によってはフィルムライクな作風に仕上げるとバチッと決まる写真もあります。
ですがデジ一(デジタル一眼カメラ)が主流になった現在ではフィルムライクな写真をカメラ1つで作り上げる事ってなかなか難しいですよね。
もちろん、フィルムカメラを使用すれば問題ないのでしょうけど、「デジタル一眼を持って、フィルムカメラも持って」ってやっていると荷物が多くなってしまってフットワークが削がれてしまいます。
写真撮影を行う上でフットワークが削がれてしまうのは考えものです。
ではどうするか?
レタッチでフィルム調に編集すれば、荷物も増えませんしレタッチの引き出しも増えるので一石二鳥ではないでしょうか。
そこで本日は、写真をフィルムライクに編集する方法を紹介 と題してお送りしたいと思います。
- フィルム写真の特徴
- フィルムライクな写真編集方法
- プラグインソフトを使用して編集
目次
フィルム写真の特徴とは

そもそもフィルムライクとはどんな作風の事を言うのでしょうか。
フィルム写真の特徴として、粒子感と色味のクセが上げられるかと思います。
粒子感とはザラザラした質感を表しています。デジタル一眼で言うと、高感度ノイズが似たような感じでしょうか。
高感度ノイズが多いと、写真の黒い部分にザラザラした物が乗っかっていますよね?あれの事を、ノイズって言うんですがフィルムカメラで撮影するとそのような粒子感のあるザラザラした感じになります。
一方の色味のクセというのは正確に言えば、色合いが柔らかくレトロ感のある作品の事を言います。この辺は人それぞれ捉え方が違うのでなんとも言えませんが、時代を感じさせるような作風は”エモさ”を表現出来るのではないでしょうか。

この写真を見ていただければ分かっていただけるかと思いますが、写真全体が柔らかくてレトロ感を感じる事が出来ます。
ここ数年、SNSでもこのフィルムライクな作風は非常に人気があります。では、デジタル一眼カメラでどのようにフィルム調の作風に仕上げるのか解説したいと思います。
フィルムライクな写真編集方法
では写真編集をしていきましょう。
ポイントは 粒子感 と 柔らかい色合い を目指します。
今回使用する写真はこれ、

季節的にコスモスにしてみました。自分で言うのもあれですが、綺麗に撮影出来ていると思います。
三分割構図でボケ感もいい感じです。デジタル一眼っぽく色味もしっかりくっきり出ていて好みの写真です。
今回はこれをフィルム調に編集します。
使用するソフトはみんな大好き Lightroom です。
基本補正で写真に柔らかい色合いを表現
まずは全体的に調整します。
基本補正で全体的に柔らかい感じを出していきたいと思います。コントラストは多くの写真で下げた方が作風が柔らかくなります。それは写真の明暗差が無くなるためです。
気をつける点は2点。
一点は外観の項目で明瞭度を下げると、フワッとしますが写真全体の像が柔らかくなりすぎてしますので、テクスチャは逆に上げて像の輪郭線を出してあげるといいと思います。
[Lightroom]写真編集のテクスチャと明瞭度の違いをご存知で?
もう一点は、露光量の調整です。基本補正で柔らかい感じを出すと全体的に明るさのトーンが下がってしまうので露光量で明るさ調整をする事を忘れないようにしましょう。
なので露光量だけは基本補正内の調整で一番最後にして、全体の明るさを決めていきましょう。


ちなみに画角が変化しているのはトリミングしているからですね。
トーンカーブで明暗部分のトーンを調整
基本補正でコントラストの調整をしていますが、トーンカーブで更に細かく調整していきます。
[Lightroom]写真編集ソフトでのトーンカーブの使い方!
この写真に暗い領域が少ししかありませんが、奥の暗い部分を持ち上げてコントラストを無くしました。中間調を少し持ち上げる事で柔らかい自然光を意識しています。


その下の「HSL/カラー」に関しては、好みでの調整でいいかと思います。ですが、特定の色だけ主張が強かったりするのは注意が必要かなと思います。
効果で粒子感とレトロ感を追加
さてフィルム調の編集で重要なのが 粒子感 とレトロ感 ですよね。
Lightroomにはそんなフィルム調の写真編集にタイムリーな機能があります。それが 効果 という項目の「切り抜き後の周辺光量補正」と「粒子」ですね。
まずは切り抜き後の周辺光量補正からいじってみましょう。
フィルムカメラでの撮影は、レンズも古い物を使用する事がほとんどなので、古いレンズ特有の周辺光量落ちって現象が起きやすいです。
なのでその周辺減光落ちを再現したいと思います。


こんな感じですね。オールドレンズっぽさを意識してみました。右下と左下を見ていただければ非常に分かりやすくなっていると思います。微妙な差なんですけどね。あまりやりすぎると不自然な感じになってしまうので注意が必要です。
次に粒子感を出していきます。まずは分かりやすくフルマックスで。

どうでしょう?一気にフィルム感増しましたよね。
このままでも、フィルム感という点では条件を満たしているとは思うのですが、個人的にはやりすぎ感も出ちゃっているので調整していきます。


こんな感じでしょうか。フルマックスの調整よりこれくらいの方がナチュラルだと思います。

粒子感や周辺減光落ち感の感覚って、普段フィルムカメラを扱っている方やオールドレンズを頻繁に使用している人にしか分からないかもしれませんが、たくさんの作品に触れ合う事で養われる部分もありますので、多くの作品を観てみる事も重要ですね。
このように、デジタル一眼カメラでもフィルム感って表現出来てしまうんですよね。
まぁ、「そんなの邪道だ」って言う方もいるかと思いますが(笑)
NIK COLLECTIONを使用する

今回はNIK COLLECTION のプラグインソフトの1つである、ANALOG EFEX PRO でフィルムライクな写真を作製してみましょう。
NIK COLLECTIONだけではなく最近では簡単にフィルム調の写真編集が可能なソフトが数多く発売されています。
1から10まで編集するのが面倒な人はこれらのソフトを使用してもいいかと思います。
NIK COLLECTIONについては過去に紹介していますので、そちらを参考にしていただけたらと思います。
[Lightroom]おすすめプラグイン!NIKCOLLECTIONの紹介!
今回はツールでクラシックカメラを選択し、好みのエフェクトをかける事でフィルムライクな写真が簡単に完成しました。
やはりさすがの仕上がりですね。

せっかくなので ANALOG EFEX PRO で遊んでみました。

このように様々な表現で遊ぶ事が可能です。
完成写真とフィルム調レタッチのまとめ
下がフィルムライクに編集した画像の完成画像です。


粒子感が出て色味も柔らかくなったように思います。俗に言うエモさが出ましたね。このようにデジイチでも写真編集技術を駆使すれば、フィルム写真の様な写真を作製する事が出来るようになります。
もちろん「本物」を求める方は、フィルムカメラでの撮影をおすすめしますが、デジイチでも十分戦えるのではないでしょうか。
このように写真編集はご自身の作品の可能性を大きく広げる事が可能です。なのでぜひ一度は皆さん挑戦してみてはいかがでしょうか。