撮影マナー
登場人物A

最近は撮影マナーや撮影ルールを守らない人が多いねぇ。

登場人物B

確かに。撮影していて「え?それいいの?」って人が結構いるわ。

登場人物A

撮影マナーや撮影ルールは守らないと、もしかしたら大変な事になるかもしれないから今日はしっかりと考えてみよう!

カメラを趣味として数年経ちますが、撮影現場では実に様々の人を見かけます。三脚禁止区域で平気な顔して三脚を使用している人、立ち入り禁止区域に侵入して撮影している人、撮影地近くに駐車場が無いからと路上駐車をしている方、被写体が欲しいからと面識の無い方を無断で撮影する方など、とにかくマナーの悪い人が多くて困ります。

以前に立ち入り禁止区域に入って撮影しようとしていた方に対して注意をした事があります。もちろん、その人が気に入らないとかではないんです。ただルールやマナーは守るべきだと言う正義からの行動だったんですが、トラブルになってしまいました。

今日は、撮影マナーを見直しませんか?って事で撮影マナーに関して考えてみようと思います!当たり前の事しか書かないかもしれませんが、実際のところ守れてない人が多すぎるので、これを機に撮影マナーに関して見直してみてはいかがでしょうか。

▼ この記事で分かる事
  • 撮影マナーの重要性
  • 実際にあったケースを紹介
  • 訴えられたら?罰則などはどうなっているのか

目次

撮影マナーの重要性

撮影マナー

今更改めて書く必要なんてないかと思ったのですが、ここから始めないと文脈がおかしくなるので暖かい目でみてください。

撮影マナーやルールを守る必要

当然ながらその景色は自分だけのものではありません。他のカメラマンや観光客の皆さんも撮影ルールやマナーを守って自分なりのベストショットを求めて撮影しています。

そうです。そんな中、マナーもルールも守らない人がいるとただの迷惑なんですよね。それが、地域住民の方達にも迷惑が掛かるようだと出方によっては民事訴訟にも成りかねません。

そんな事になれば訴える方も訴えられる方も気持ちよくないし、撮影禁止にも成りかねないのでやはり撮影マナーやルールは守るべきです。

写真撮影マナー 24カ条

「じゃあ撮影マナーって何?」って思われる方も当然いるかもしれません。基本的には、

  • 他の撮影者に迷惑をかけない
  • 地域住民の方に迷惑をかけない
  • 違反や違法は論外

このような事かと思いますが、皆さんは守れていますか?僕は胸を張って守れていると言えます。

では、撮影マナーや撮影ルールって何?って方もいるかと思いますので調べました。調べると「NPO法人 フォトカルチャー倶楽部」さんの写真撮影マナー24カ条という記事が非常に為になるのでカメラマンの皆さんにはぜひご覧になってほしいと思います。以下のリンクからご覧になってくださいね。

撮影マナー
NPO法人 フォトカルチャー倶楽部

風景写真を撮影する僕としては「撮影現場編」は非常に気になる記事でしたね。もちろん「モデル撮影編」「スナップ撮影編」「野鳥撮影編」も気になる項目です。

しっかり読んで次回からの撮影に活かしたいと思います。

実例を紹介

撮影マナー

この項では、僕が実際に遭遇したケースや友人やニュースなどで聞いたケースを紹介します。

北海道美瑛町 哲学の木

北海道の美瑛町にある哲学の木が切り倒されたのは記憶に新しいところだと思います。テレビなどで紹介されたこの木は物思いにふけている様子から哲学の木と名付けられ美瑛町の人気観光スポットとして有名な撮影スポットでもありました。

ですが、2016年に哲学の木は切り倒されました。なぜか?観光客のせい?カメラマンのせい?いや、一番の理由は、イタリアポプラの哲学の木は寿命を全うしようとしていた為、大変弱っていた為らしいです。

大きな哲学の木が農作物のある時期に倒れたりしたら大変な被害が出ると言う事もあり地主さんは2015年から切る事を決断していたらしいですね。この辺の詳しい話は、北海道美瑛町の写真家・中西敏貴さん のブログに載っています。

写真家・中西敏貴さんブログ

哲学の木が弱っていたから切り倒された・・・それが一番の理由ですが、「切る」事を後押ししたのは観光客やカメラマンのマナーの悪さがある事は事実みたいですね。

アマチュアながら同じカメラマンとしては非常に胸の痛い出来事だし、一度は哲学の木を撮影したいと言う思いいもあったので残念です。

長野県白馬村野平地区 野平の一本桜

近年撮影マナーが悪いと地域住民の方が嘆いているのが、野平の一本桜です。実は僕が哲学の木の話を知ったのはこの野平の一本桜を撮影していた時のことでした。

現地でお会いした方と談笑しながら撮影していたのですが、私有地である畑に平気で入っていくカメラマンを見てその方が「哲学の木みたいな事にならなきゃいいけどな」って言った事から哲学の木の話になったのが発端です。

ケースとしては哲学の木と同じで、構図問題なのか周辺の畑などに侵入して撮影するカメラマンがあとを絶たないようです。また、桜の木と天の川が撮影できるスポットとしても有名なので夜は三脚を立てて場所取りする人も多く、酷い人は車道に三脚を立てる方もいるみたいです。もちろんそんな行為は許されるわけありません。

「哲学の木みたいな事にならなければいいんですが・・・」

長野県茅野市 御射鹿池

御射鹿池には立入禁止区域があります。ですが、早朝で人が少なかったからなのか立入禁止の看板を横目に池の近くまで降りて行き撮影しているカメラマンがいました。

「困ったもんだな」と思いながら注意したんですが、見事に逆ギレされてしまいました。「誰にも迷惑かけてない」それが彼の言い分だそうです。何を言っても押し問答になるだけだと思ったので、引きましたがなんかモヤモヤしてしまいました。

岐阜県土岐市 曽木公園

曽木公園の紅葉は非常に有名ですよね。ライトアップされた紅葉が池にリフレクションする景色はまさに絶景と呼ぶにふさわしい景色です。

以前は分かりませんが、昨年に関しては三脚禁止でしたが(HPにも注意書きされています)知ってか知らずかライトアップの時間前から堂々と三脚立てて場所取りしている方が多数いたみたいですね。運営の対応等は存じ上げませんが、やはり人間の心理として「一人やったら僕もいっか」になってしまうのでルールは守りましょう。

長野県伊那市 高遠城址公園

僕が長野県在住なんで長野県のスポットばかりなんですが、言わずと知れた日本三大桜の名所の「高遠城址公園」なんですが、ここの有名な構図が池のリフレクションとハートに見える構図ですよね。

長野県伊那市は高遠城址公園で夜桜を撮影してきた!

その構図を撮影するにはある場所から撮影しないといけないんですが、池周辺の木路の上では三脚の使用が禁止されています。ですが、平気で三脚を置いて撮影している方が毎年います。この池の周りの木路は人が通る為の木路なので三脚を立ててはいけません。

このようなケースを上げ始めたらキリがないのでこれくらいにしますが、いずれにせよマナー違反やルール違反も見て気持ちのいい思いをする人なんていません。自分本位の考えしか出来ない人は写真活動はするべきではないと思います。

もしもの場合の、罰則は?

もしかしたら「少しくらいならいいや」なんて思って侵入した場所や撮影した写真が思わぬトラブルを巻き起こすかもしません。大袈裟に思われるかもしれませんが、もし訴えられたら法で裁かれる可能性もあります。

肖像権侵害(名誉毀損・著作権違反)

例えば許可なく第三者を被写体として撮影した場合は肖像権侵害という立派な犯罪になります。

肖像権とは、本人の許可なく自分の顔や体を撮影されたり、公表されたりしない為の権利です。プライバシーを守る為の権利ですね。肖像権侵害罪という罪はありませんが、肖像権の侵害から名誉毀損だったり著作権違反になる可能性があります。名誉毀損罪が認められると、

3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金 になります。

肖像権侵害となる基準

  • 自分や家族の顔を特定できるかどうか
  • -自分や家族の顔が識別できると認められる可能性が高い

  • 自分や家族がメインになっているかどうか
  • -撮影された画像の被写体のメインが自分や家族になっている

  • 拡散可能性が高い場所に公開されたかどうか
  • -SNSなど拡散可能性が高いので肖像権侵害が成立する可能性が高い

  • 撮影や公開の承諾があるかどうか
  • -この場合、撮影と公開は別々の許可取りが必要

  • 撮影される事が予測できる場所であるかどうか

    -観光地やイベント会場だと写り込みと判断される事がある

器物損害罪

意外と盲点なのがこれ。「え?なにも壊さなければ器物損害にならないよね?」って思いますよね。僕もそう思っていました。ですが、哲学の木や野平の一本桜のケースではこの器物損害罪が成立するかもしれません。というのも、いくら私有地でも田畑への侵入は「住居侵入罪が成立しない」らしいのです。なので「私有地に勝手に入るな!不法侵入だぞ!」というのは違うみたいですね。ただし、これが刑法130条(住居侵入罪)に規定されている、「住居、邸宅、建造物または艦船」に該当する場所に関しては住居侵入罪になります。

さて話を戻すしてどういう事かというと、いくら私有地の駐車場や空き地、田畑に入った場合でも「建造物の敷地」ではない限り住居侵入罪は成立しないらしいのです。そこで該当する可能性があるのが器物損害罪。

例えば、田畑に入って撮影していた際に踏み荒らして農作物が損害を受けた場合などが器物損害罪にあたる可能性があるとされています。器物損害罪が成立すると、

3年以下の懲役または30万円以下の罰金もしくは科料 になります。

+立入禁止の表示がされていれば、軽犯罪法に該当する可能性があるとの事ですね。

その他、風景写真に於いて適用されかねない罪状を紹介しておきます。

撮影ルールを守らない事で成立する可能性のある罪状

撮影場所の占領
  • 威力業務妨害罪(3年以下の懲役または50万円以下の罰金)
  • 道路交通法違反(3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金)
  • 脅迫罪(暴言)(2年以下の懲役または30万円以下の罰金)
  • 強要罪(暴言)(3年以下の懲役)
禁止区域への侵入
  • 建造物侵入罪(住居への侵入)(3年以下の懲役または10万円以下の罰金)
  • 軽犯罪法違反(立入禁止区域や田畑への侵入)(拘留または科料)
  • 鉄道営業法違反(線路侵入)(拘留または科料)
植物や動物に危害
  • 器物損害罪 動物傷害罪(3年以下の懲役または30万円以下の罰金もしくは科料)
  • 動物愛護法違反(虐待)(2年以下の懲役または200万円以下の罰金)
公道での駐車標識の損壊
  • 道路交通法違反(路上駐車)(15万円以下の罰金)
  • 道路交通法違反(標識の撤去)(5年以下の懲役または20万円以下の罰金)
暴言を吐くカメラマンとのトラブル
  • 軽犯罪法違反(暴言)(拘留または科料)
  • 暴行罪(2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金または拘留もしくは科料)

撮影マナーやルールのまとめ

登場人物A

どうだった?

登場人物B

んー。哲学の木に関してはなかなかショッキングな出来事ね。それと同時になんだかもの凄く悲しくなったわ。自分さえ良ければなんて、大の大人でも分からない人がいるなんて情けない話ね。

登場人物A

そう思うよね。注意すれば逆に怒られるんだからもう訳わからないよ。一層の事、カメラも試験を受けて合格者に免許を交付するなど対策をとればいいのにね。

「自分されよければそれでいい」なんて方は今すぐにでも写真を撮影する事を辞めた方がいいのではないかと思います。この記事を書くに当たり色々なケースを見ましたが、注意した人間に殴り掛かるとか良くわからないですよね。

撮影場所ではみんなが気持ちよく撮影したいですよね。今一度撮影マナーやルールを確認して素晴らしいカメラライフを送りたいと思います!