センサーサイズの違いについて
登場人物A

センサーサイズが変わる事で変化する事があるんだけど、何が変化するか知ってる?

登場人物B

え?画角が変化するだけじゃないの?

登場人物A

画角の変化は真っ先に覚えるべき重要な事だね。他に変化する事があるんだよ。今日はその変化とセンサーサイズについて深堀りしてみようか。

以前に、一眼レフカメラとミラーレスカメラの違いについて という記事を書きました。リンクを貼り付けているので時間のある方はご覧ください。

その記事内でフルサイズセンサーとAPS-Cセンサーというセンサーの違いについて少し触れました。ではその違いについて今回はもっと具体的に深堀りしていきましょう。

なので本日は、フルサイズセンサーとAPS-Cセンサーの違いについて 解説したいと思います!

フルサイズセンサーとAPS-Cセンサーの違いに関しては、基本的な部分になるのでしっかりと頭の中に入れておきましょう。また、カメラ購入時にも必要な知識になるかと思います。

▼ この記事で分かる事
  • フルサイズセンサーとAPS-Cセンサーの違い
  • センサーサイズの変化で変わる6つの事

フルサイズセンサーとAPS-Cセンサーには実にさまざまな違いがあります。センサーの違いと言うか、センサーが違う事で異なってくる点が多いと言った方が正しいのかなと思います。まず、フルサイズセンサーとAPS-Cセンサーの違いとして代表的な物をいくつか紹介しましょう。

センサーサイズの種類と大きさ

まず基本的な事として、フルサイズセンサーとAPS-Cセンサーで何が違うかご存知でしょうか?答えは単純にイメージセンサーの大きさが違います。一般的に普及しているカメラの中では、フルサイズセンサーが一番大きいセンサーサイズになります。以下の図を見てもらえば分かるかと思います。

センサーサイズ

一般的なスマートフォンに搭載されたセンサーは 1/2.3型センサー になります。それを基準に考えるとAPS-Cセンサーは1/2.3型センサーの約13倍、フルサイズセンサーに至っては1/2.3型の約30倍になります。

センサーの種類は大きい順から、

フルサイズ > APS-C > マイクロフォーサーズ > 1.0型 > 1/2.3型

となっています。ではセンサーサイズの大きさが変化する事でどのような違いが生まれてくるのか解説したいと思います。

センサーサイズで変化する6つの事

センサーサイズが変わる事で変化する事として分かりやすく6項目に分けて紹介したいと思います。

  • 同じレンズでも焦点距離による画角が変化する
  • ボケ加減が変化する 画角の話で フルサイズ>APS-C
  • 階調の表現にも差が出る
  • 暗所性能にも差が出る
  • カメラ自体のボディサイズの変化
  • 使用出来る交換レンズの変化

大きく分けてこの6つが上げられます。センサーサイズが違うだけで結構色々な事が変化しますよね。これだけの事が変化するわけですから、カメラ購入時にはしっかりとその違いについて考える必要があります。では項目ごとに見ていきましょう。

画角の変化

画角の変化
センサーサイズが変化すると得られる画角が変化します

一番代表的な変化ですが、フルサイズとAPS-Cでは単純に得られる画角が違います。画角とはそのカメラで写せる範囲を角度で表したものになります。

APS-Cは焦点距離×1.6倍分の画角

フルサイズセンサーはレンズの焦点距離そのままの画角での撮影が可能です。焦点距離が50mmのレンズなら50mmの画角での撮影になります。一方のAPS-Cセンサーは、レンズの焦点距離×1.6倍(ニコンは1.5倍) になります。なので焦点距離が50mのレンズを使用するとフルサイズで言う80mmと同じ画角を得られる計算になります。

余談ですが、よく「35mm換算で◯◯mm」とか「フルサイズ換算で◯◯mm」とか聞いたりしませんか?これは、フルサイズセンサーとAPS-Cセンサーだと得られる画角が違ってくるので、同じ50mmでも意味合いが変わってしまいますよね。なので「焦点距離を言う時はフルサイズセンサーの画角に統一しようぜ」と誰かが言い始めた事から フルサイズ換算 とか 35mm換算 とか言うようになりました。35mmって言うのはフルサイズセンサーの大きさが横が約35mmだからですね。(詳しくは下記リンクへ)

写真用語35mm換算に意味について解説したいと思います!

望遠側はAPS-C、広角側はフルサイズ

同じ焦点距離でも遠くの物を撮影する事に関してはAPS-Cの方が俄然有利です。この差は、焦点距離の長いレンズを使用すればするほど顕著になります。

例えば、フルサイズセンサーで400mmの望遠レンズを使用した時と、APS-Cセンサーで400mmのレンズを使用した時の場合、35mm換算で フルサイズセンサーだと400mmの画角がAPS-Cセンサーだと600mm分の画角になります。望遠に関してはAPS-Cセンサーの恩恵は非常に大きいです。

一方、広角側はみなさん分かりますよね。焦点距離が35mm換算で14mmの場合だと、APS-Cセンサーだと21mm相当の画角になってしまうので景色を広く撮影したい時なんかはフルサイズセンサーに利があります。

ボケ加減の変化

ボケ加減の変化

よく「フルサイズはAPS-Cよりもボケる」って聞くことがあります。実際のところ確かにフルサイズの方がボケ加減は大きいように思えます・・・が、これって実際のところは嘘でもあるし本当でもあるんです。

「フルサイズの方がボケる」が嘘である理由

上記が嘘である理由に、APS-Cセンサー搭載のカメラで撮影した写真は、フルサイズで撮影した写真の中央部をトリミングしたに過ぎません。なので同じ焦点距離のレンズを使用して撮影した場合、フルサイズもAPS-Cもボケ加減は変わりません。これが嘘の理由です。

「フルサイズの方がボケる」が本当の理由

APS-Cセンサー搭載カメラでフルサイズと同じ画角で撮影したいなら、APS-C機に装着するレンズの焦点距離は 1/1.5(0.67倍)になります。どういう事かと言うと、フルサイズセンサー搭載のカメラに装着したレンズの焦点距離が50mmだとしましょう。では、ここで問題です。

フルサイズ機に装着した焦点距離50mmと同等の画角をAPS-C機で得るには何mmのレンズを装着すればいいでしょうか?

答えは、50mm × 0.67倍 = 約34mm です。

つまり、APS-Cカメラに焦点距離34mmのレンズを装着するとフルサイズでいう50mmの画角を得られると言うわけです。

で、ボケ加減を強くしたい時に必要な要素の1つに 焦点距離 が影響します。焦点距離が長い方がボケ加減は大きくなるので、今回で言うところの「フルサイズの方がボケる」は「同画角であれば焦点距離の長いフルサイズの方がよりボケる」と言い直せるので、本当の理由になるわけです。

  • 嘘である理由=画角ではなく同じ焦点距離での話
  • 本当である理由=焦点距離でなく同じ画角での話

階調の表現にも差がでる

階調の変化

フルサイズセンサーとAPS-Cセンサーの大きな違いはセンサーサイズという事は冒頭で述べた通りです。では、フルサイズ2000万画素とAPS-C2000万画素では、どちらが明暗差に強いかご存知ですか?

フルサイズセンサーの大きさは36.0mm × 24.0mm で、一方のAPS-Cのセンサーサイズは23.4mm × 16.7mm になります。各センサーに2000万個の画素と呼ばれる画像を構成する「点」を並べた時、1個あたりの「点」が大きくなるのはどちらか分かりますか?

はい。答えは「フルサイズセンサー」ですね。なので明暗差に強いのは1個あたりの点(画素)が大きいフルサイズセンサーになります。

点が大きいとなぜ階調の表現力につながるのかと言うと、1個あたりの画素が受けられる光の量が多くなります。なので同じ2000万画素でもフルサイズセンサーの方が明暗差に強く階調の表現力にも優れた写真が撮影できるようになるったわけです。要は、ダイナミックレンジが広いって事ですね。ダイナミックレンジに関しては以下の記事をご覧ください。

白飛び黒つぶれの原因とダイナミックレンジについて解説します!

暗所性能

暗所性能の違い

先程の1画素あたりの受けられる光が多くなると言う点からも、暗所性能にも差が出ます。1画素あたりの受光面積が多いフルサイズセンサーは暗所部でもより多くの光を受光できる為、暗所部でも低感度での撮影が可能です。よって、ノイズも最小限で抑えることが出来ます。

一方のAPS-Cセンサーは、1画素あたりの受光面積が少ないので暗所部での撮影だとどうしても高感度撮影になったり、光を取り込む時間を長くしたいが為にシャッター速度が遅くなったりします。

ただし最近は技術の進歩もありAPS-Cセンサーも高感度撮影でのノイズのりは少なくなったように思います。撮影環境(シャッター速度や絞りなど)にもよりますが、ISO6400くらいでも拡大してみないとノイズのりは分からないかもしれませんね。

少し余談ですが、よく「フルサイズセンサーとAPS-Cセンサーの高感度撮影時のノイズ乗りの違いを比較してみた」みたいな記事があって、フルサイズとAPS-Cセンサーの比較画像を取り上げている記事を見ますが、参考にするなら本当の暗所部で撮影していた画像を比較している画像を参考にした方がいいです。なぜなら背景が暗い方がノイズが目立つからです。以下になぜフルサイズセンサーの方が暗所部と階調の表現力が強いのか図にしてみましたのでご覧くださいね。

階調・暗所部に強い理由

ボディサイズにも影響する

ボディサイズの違い

この辺は単純にセンサーサイズが小さくなれば、その分ボディも小さくなります。ボディサイズが小さくなると言う事は、当然ながら軽量化できてコンパクトになります。

センサー自体の重さの差なんてものは、あってないようなもんですがセンサーが変化する事でボディ自体の重さが100g以上変わってくるんです。

もちろんフルサイズセンサー搭載機種よりもAPS-Cセンサー搭載機の方が小型でコンパクトなので機動性に優れます。

使用出来る交換レンズの変化

使用レンズの変化

最後にフルサイズセンサー搭載機種とAPS-Cセンサー搭載機種では使用出来るレンズが変わってきます。レンズ設計はセンサーサイズに合わせて設計されるので、センサーサイズが変化すればレンズの性能も変わってくるわけですね。

一般的にはフルサイズ用のレンズはAPS-C機でも使用可能ですが、その逆はカメラに装着出来ても周辺が暗くなったり、写りに影響が出るので使用できないと言って間違いないと思います。

APS-C機のレンズは非常に安価で軽量・コンパクトなので魅力的なんですが中々上手くいきませんね。

以上が、センサーサイズが変わる事で変化する代表的な6つのポイントとなります。簡単にまとめてみようと思います。

▽センサーサイズは変わる事で変化する6つの事
  • 画角=APS-Cは 「35mm換算焦点距離×1.5倍」 相当の画角になる
  • 「フルサイズの方がボケる」は嘘であって本当の話。ボケ加減は焦点距離で考えるか画角で考えるかで全く違う意味になる
  • 階調の表現力は1画素あたりの受光量が多いフルサイズに軍配があがるが、近年のAPS-Cの高感度撮影によるノイズは非常にクリアである
  • 暗所部での撮影ではフルサイズが有利だが近年はAPS-C機でも高感度撮影でのノイズのりが少ないので、ある程度なら気にする必要はない
  • 重量やサイズ感はAPS-Cセンサー搭載機が圧倒的に有利。機動性ならAPS-Cセンサー搭載機で間違いなし
  • 使用できるレンズの変化。フルサイズセンサー用に開発されたレンズはAPS-Cセンサー搭載機でも使用できるが、レンズの性能を最大限に引き出せるかは疑問

センサーサイズの違いまとめ

登場人物A

センサーサイズの変化によって色々な事が変わってくるよね。これらを全部覚える必要はないけど、カメラを購入する際には必ず必要な知識になってくるから頭の片隅にでも置いておくといいかもね。

登場人物B

変化するのって画角だけじゃなかったのね。表現の差にも影響しそうだから少し勉強してみようかしら。

登場人物A

しっかり勉強しなくても撮影する中で自然と身に付いていく知識だから大丈夫。でも今すぐカメラを購入する予定のある人は覚えておこう!

フルサイズセンサーにもAPS-Cセンサーにも当然良い所もあれば悪い所もあります。購入の際に迷うであろうセンサー問題ですが、結局のところ「何を撮影したいのか」「どんなシーンで使用したいのか」ってところに委ねるしかありません。

もし「今は旅フォトや普段使いで使用したいから携帯性や価格の面でAPS-Cセンサーの方がいいかなー。でももしかしたら趣味としてがっつり写真を撮影するようになるかもしれないし・・・」って感じで悩んでいる人がいるなら、迷わずフルサイズセンサー搭載機を購入するべきだと僕は思います。

「大は小を兼ねる」

これに尽きます。もちろん予算内で購入するのは一番の条件ですけどね。

最近のAPS-Cセンサーは非常に進歩していて、だいたいの撮影シーンでフルサイズセンサーとの違いは分からないレベルまで来ています。なので「APS-Cだから」と思う事は滅多にないと思います。唯一、画角問題はどうする事もできないのでその辺はしっかりと考えて購入しましょうね!